人気のコラボレーションがふたたび実現!
「リーボック クラシック×メゾン キツネ」全8型を完全紹介。

  • 写真:平岩 享 
  • 文:高橋一史
Share:

パリジャン御用達の「メゾン キツネ」が、「リーボック」のカジュアルライン「リーボック クラシック」とコラボレートしたカプセルコレクションがこの秋に新登場。東京で行われたお披露目イベントに参加しました。

ファッションブランドとスポーツブランドとのコラボレーションは、双方のファンの心をつかみ、新たなファン層も広げる人気の企画です。

近年では「カプセルコレクション」と呼ばれる、同一のテーマで服や小物をトータルで展開するケースも増えています。その多くは、現代的で機能的なスポーツウエアに準じたデザインです。スポーツシーンにもち込めるウエアやスニーカーを前提として、そこにファッションのエッセンスを加味する発想だからでしょう。
対して、パリ発の「メゾン キツネ」と「リーボック クラシック」がコラボした「Reebok CLASSIC×MAISON KITSUNÉ(リーボック クラシック×メゾン キツネ)」には、異なる視点が。ノスタルジックな野球の世界に思いを馳せた、レトロシックな街着になっているのです。

この新コレクションは、ヨーロッパをはじめ世界中で今秋に発売されます。海外からジャーナリストを招き、東京で開催されたお披露目イベントの様子と、アウターからスニーカーまで揃ったコレクションの全貌をお届けします。

コレクション発表会で概要が明らかに。

来場者にテーマを説明する理也さん。

2015年8月27日に、カプセルコレクション「ベースボール リーグ コレクション」の発表会が開催されました。アメリカを中心とするメディア関係者を特別に東京に招き、おもに彼らへ向けて発信された少人数制のイベントです。アンティーク調のインテリアが寛いだ雰囲気を演出する部屋の中で、メゾン キツネの黒木理也(MASAYA KUROKI)さんが英語でコレクションの概要を解説しました。

「野球をしない人でもファッションとして楽しめるアイテムです。イメージした時代は40~50年代で、場所はアメリカ東海岸です。ロゴやレタリングは、往年の野球チームである『ブルックリン・ドジャース』にインスパイアされました。オレンジの色調をベースにしたのは、ポップな色を使いたかったから。リーボック クラシックはダークカラーをよく用いるので、メゾン キツネとして、彼らにとっても新鮮に思えるデザインを提供したかったのです」

新作を身につける、海外メディアの面々。
Tシャツ制作のワークショップも開催。

海外からの参加組も会場で身につけているカプセルコレクションは、スタジャン、スウェットシャツ、七分袖Tシャツ、半袖Tシャツ、ショートパンツ、ソックス、キャップ、スニーカーの全8型(詳細は4ページを参照)。ワードローブに加える単品発想だけでなく、何点か組み合わせて着た時のバランスも計算されたトータルラインアップです。


終始リラックスしたムードで進んだ発表会の終盤で行われたユニークな試みが、スケッチブックにペンで図案を描き、デザインのプロセスを体験すること。理也さんは会場を回って、参加者と談笑しながらデザインをアドバイスしていました。

リーボック クラシックの「CLASSIC NYLON」をアレンジしたスニーカー。

1型だけのコラボレート・スニーカーは、特に人気が過熱しそうなアイテム。アッパーでおもに3種類の素材(スエード、コットンキャンバス、ナイロンメッシュ)を組み合わせつつ、白と生成りのツートーン配色でクラシカルに仕上げられています。このひと捻りあるシンプルさが、メゾン キツネの真骨頂といえるでしょう。「3年後に変わる表情を思い描いてデザインしました。履き込んで、汚れて色が変わっていく様子を楽しんでください」と理也さん。

クリエイティブ ディレクターが語る、メゾン キツネのタイムレスなスタイル

特別製のバットを手に取る理也さん。

古くは1980年代のフィットネスブームの時、当時革新的だったソフトなレザーのエアロビクス用スニーカーを街中にあふれさせたリーボック。現在では90年代の前衛的なランニングシューズ「インスタポンプフューリー」がストリートのアイコンとして再ブレイクしています。メゾン キツネと彼らとのコラボレートの出発点は、2015年春夏シーズンです。ハイカットとローカットのスニーカーを発表し、瞬く間に完売するほど好評を博しました。「友人のVERBAL(ヴァーバル)がリーボック クラシックとコラボしたことがあり、彼の紹介がきっかけで付き合いが始まりました。今回のカプセルコレクションでは、スポーツブランドとのコラボに多いクセの強いデザインではなく、肩の力を抜いたものをつくろうと思いました」と、理也さん。12歳でパリに渡りフランスに住み続けた彼ですが、日本にいた子どもの頃は野球少年だったそう。「親父が野球好きで、5歳くらいからずっと野球をやってましたね。学校行っても授業中は寝ていて、野球ばかり。でも下手でしたけど(笑)。いつもベンチでしたから」。90年代にメジャーリーガーと関わりが深かったリーボックとともにつくったコレクションで、テーマが「ベースボール」なのはごく自然なことだったのです。

発表会場のディスプレイ。
ロゴの「×」のモチーフは野球のバット。

ファッションブランド、メゾン キツネのスタートは2002年。理也さんとジルダ・ロアエック(Gildas Loaëc)さんが始めたレコード・レーベル「KITSUNÉ」から派生しました。

音楽シーンに多大な影響力があるキツネの名を冠しているとなれば、このブランドと音楽の世界観との結びつきも気になるところ。それを尋ねると明確に、「リンクさせていません」との答えが。「古着屋でバイトしてたほどの服好きで、ファッションブランドも昔からやりたかったこと。ミュージシャンの服装とは関連付けていないんです。アイビーリーグの大学生のようなタイムレスなボタンダウンシャツ、ジーンズ、Tシャツからつくり始めました。ユニフォーム的な服です。最初の頃はデザインを野暮ったいと言われましたけどね(笑)」。

彼の発想が “クール” なものだったことは、このブランドがファッション界で愛され、一般的な人気も得ていることからも明白でしょう。「トレンドの波に乗らず、無理をしないオーガニックな考え方で続けてきたのがよかったのだと思います」。カプセルコレクション「ベースボール リーグ コレクション」も、何年も着続けられる服と小物です。音楽とのリンクは考えられていないそうですが、漂う “品性” や “清潔感” は、キツネレーベルと共通するエッセンスです。

ヴィンテージな色合いの、カプセルコレクション全8型。

左上から時計回りに、スニーカー ¥14,040、キャップ ¥8,100、スタジャン ¥47,520、半袖Tシャツ ¥8,640、ソックス ¥2,700、スウェットシャツ ¥20,520、七分袖Tシャツ ¥10,800、ショートパンツ ¥15,120
胸にボールの刺繍ワッペンつきラグラン袖スウェットシャツ。

往年の野球のユニフォームやトレーニングウエアが、日常着として現代的にアップデートされています。さり気なく「KITSUNÉ」を織り交ぜたレトロなレタリングや、立体感のある刺繍、野球帽を被ったキツネの図案など、遊び心のあるディテールが満載。スタジャンの袖は一般的なレザーではなく、裏がスウェットシャツのように起毛されたハリ感のある化繊素材が使われています。スウェットシャツも通常は服に使わない糸が用いられ、コシのある風合いに仕上げられています。機能的な素材使いは、フィットネスにルーツをもつリーボック クラシックだからこその技といえるでしょう。


キャップを被ったキツネと野球ボールがプリントされたインソール。
両者のコラボレートタグ。
スタジャンの裏地もキツネアイコン入りで、Tシャツと揃えて着てもGOOD。(上3点とも、写真:高橋一史)

気になる発売日は、2015年9月12日(土)。「リーボック クラシック ストア 原宿」「リーボック オンライン ショップ」「メゾン キツネ 直営店(スニーカーは青山店のみ)」で販売開始されます。スニーカーは22.0から30.0cmまで、服はXSから6XO(EXTRA OVER LARGE)までと、サイズレンジも豊富に揃っています。理也さんはファッションに関して、「あまり気にし過ぎないことです」とアドバイスしてくれました。着こなしに神経質にならず、気に入ったアイテムを毎日のように気負わず着てこそ、リーボック クラシック×メゾン キツネが真価を発揮するのかもしれません。(高橋一史)

問い合わせ先/リーボック アディダスグループお客様窓口 TEL:0570-033-033
http://reebok.jp/