だんじり彫刻と“ミズナラ”に広がる、奥深き世界。

  • 写真(ボトル):宇田川淳
  • 写真:内藤貞保
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シーバスリーガルのマスターブレンダーであるコリン・スコットさんが感銘し、「ミズナラ」を生むきっかけとなった日本の匠。その体現者に迫る企画の第3回は、だんじりの彫刻を手がける河合申仁さんを紹介します。

だんじりの正面にとりつけられる、メインの部分。鎌倉時代の初期に幕府内で起こった、有力御家人の和田義盛による反乱「和田合戦」の一場面を題材に描かれている。
高さ約4メートル、約4トンにも及ぶ「だんじり(地車)」が岸和田城下の町中を駆け抜ける、迫力満点の岸和田だんじり祭り。約260年続くこの伝統行事の見どころのひとつは、だんじりに施された緻密な彫刻です。岸和田でその彫刻を手がけるのが、河合申仁さん。18歳から老舗の木下彫刻工芸で経験を積み、2010年に自身の工房「賢申堂」を立あげました。12年の夏からつくり始めたという新しいだんじりをまるごと一台、今年10月に行われる祭りに向けて鋭意制作中です。
18歳で地元の老舗、木下彫刻工芸の木下賢治親方に入門。2010年に独立し、賢申堂を設立。だんじり彫刻のほか、伊勢大神楽の獅子頭や、寺社仏閣にまつわる装飾品も数多く手がける。
「基本的には町ごとにひとつのだんじりをもっています。壊れたところを修理しながら80年~100年近く使うので、新調するのは約100年に一度。これまで師匠のもとでは多くのだんじり彫刻をやってきましたが、いまつくっているのは、独立後初めて、新調の依頼を受けたものです」
だんじりは数百点あるパーツからなり、彫師はそれらに彫刻を施していきます。町によって彫刻になる題材や絵柄はさまざまです。
「作成中なのは、大阪南部の泉大津市我孫子のだんじりです。メインとなる正面の彫刻は、鎌倉時代に起こった和田合戦で奮戦する武将、朝比奈三郎義秀を描いたものです。この題材は、この町では先代のだんじりにも使われていたものですが、新調するものにも引き継ぎました」
和田合戦で奮戦する武将、朝比奈三郎義秀。
だんじりの上部に据えられる、天乃岩戸にまつわる神話をモチーフにした彫刻。
「一方向こうにあるのは、天乃岩戸にまつわる神話をモチーフにしたもので、だんじりの上部にあたる部分です。そのほか30点以上ある部材ひとつひとつに歴史や神話を描いた彫刻が施されているんです。それらの物語を、話の内容や歴史の流れを考えながら、各部材にちりばめています」
激しく疾走しながら町を回るだんじりの中には、シーバスリーガルの味わいにも通ずるような、驚くほど重層的で奥行きのある世界が広がっているのです。
「最近はだんじり彫刻の世界でも斬新なものが出てきていますが、歴史の深いものなので、だんじりの彫り物はだんじりの彫り物らしいものにしたいと思っています。伝統を崩さないよう、昔の名人を目指して彫り続けています」
寡黙に作品に向きあい、時間をかけて奥深い世界を作り出すという意味では、河合氏もシーバスリーガルも同じ姿勢だ。
寡黙に作品に向きあい、時間をかけて物語を彫刻に仕上げていくさまは、まさにシーバスリーガルのコリンスコット氏が心を打たれた日本の匠の姿そのもの。その精神にリスペクトを込めてつくられた日本限定ボトル「シーバスリーガル ミズナラ」も、200年にも及ぶ伝統があるからこそ生まれた上質なウイスキーです。ミズナラ樽熟成という新たな要素が加わることで日本人の洗練された味覚に静かに寄り添い、私たちに上質な時間をもたらしてくれます。

シーバスリーガル ミズナラ
CHIVAS REGAL MIZUNARA

オレンジや西洋ナシのようなフルーティな香りのなかに、甘いタフィーやナッツのような深みを感じさせ、味わいは驚くほど繊細でなめらか。熟した西洋ナシとハチミツ、柑橘の風味にかすかな甘草のスパイシーさが重なる。日本だけで発売されている限定ボトルだ。