デスティネーションショップ03:お気に入りのシンプル&モードな服がいつでも買える「サンリミット」
毎年買い続けられるような、「定番」をデザインしたい。
デザイナーの門田さんが、10年以上働いていた「コム デ ギャルソン」を退社して、自身のブランド「サンリミット」を立ち上げたのは、2012年のことです。「コム デ ギャルソン」では主に「コム デ ギャルソン・シャツ」を担当し、少人数の部署だったこともあって、企画からパターン、生産管理まで、服をつくるさまざまな分野に携わってきました。
「いまでも自分で服を縫いますし、パターンもやります。やはり手を動かしながら服をつくっていくのが好きです。デザイン画を描いて、そのまま外部に渡すのでは、やはり限界がありますから」
門田さんが「サンリミット」を始めたのは、ベーシックなもので、毎回デザインが変わるのではなく、いつでも同じものが買えるような服をつくりたかったからだといいます。そのためにはブランドを継続していくだけでなく、定番的でサイズも広く揃えた店を自身で構える必要があると考えたのです。
「いまでも自分で服を縫いますし、パターンもやります。やはり手を動かしながら服をつくっていくのが好きです。デザイン画を描いて、そのまま外部に渡すのでは、やはり限界がありますから」
門田さんが「サンリミット」を始めたのは、ベーシックなもので、毎回デザインが変わるのではなく、いつでも同じものが買えるような服をつくりたかったからだといいます。そのためにはブランドを継続していくだけでなく、定番的でサイズも広く揃えた店を自身で構える必要があると考えたのです。
「この場所に土地勘はまったくなかったんです。上野にこだわったわけでもありません(笑)。でもなんとなく東(方面)で探していました。たまたま上野を歩いていて、この店の場所がいいな、と思っていたら、物件紹介のウェブサイトで偶然ここが出ていたんです。それですぐに決めました」と門田さん。
店内は、張られていたタイルをはがしたままの床が、逆にモダンな印象を与えます。アンティークの什器やカウンターとシンプルでモードな服の組み合わせが、海外のショップを連想させます。フィッティングルームの扉は鉄道の客車に使われていたもので、店には劇場用として使われていたアンティークの椅子が置かれています。スペースの半分は商品も置かれておらず、まるでギャラリーのような雰囲気をもっています。
店内は、張られていたタイルをはがしたままの床が、逆にモダンな印象を与えます。アンティークの什器やカウンターとシンプルでモードな服の組み合わせが、海外のショップを連想させます。フィッティングルームの扉は鉄道の客車に使われていたもので、店には劇場用として使われていたアンティークの椅子が置かれています。スペースの半分は商品も置かれておらず、まるでギャラリーのような雰囲気をもっています。
シャツの基本は、白にあり。
アメ横のランドマークともいえる中田商店を背にして向かいのビルを見上げると、ビルの2階に純白のシャツが並んでいるのが目につきます。白いシャツは「サンリミット」のアイコンともいえるアイテムです。
「白のシャツは自分も好きで、基本だと思います。でも『あのときのあのブランドのシャツがいいんだけれど、もう一度買おうと思ったらその製品がない』ということがありますね。それが絶対に嫌なんです。地味でもいいんで、いつでも同じものが買えるという、そんな店をやりたいのです」
「白のシャツは自分も好きで、基本だと思います。でも『あのときのあのブランドのシャツがいいんだけれど、もう一度買おうと思ったらその製品がない』ということがありますね。それが絶対に嫌なんです。地味でもいいんで、いつでも同じものが買えるという、そんな店をやりたいのです」
レギュラーカラーからボタンダウン、開襟、ワイドスプレッド、小さめの開襟タイプまで、ブロード素材の白シャツをこれだけ揃えるショップは稀です。同じ素材で黒もあります。シーズンによって、スタンドカラーが加わったり、チェックやストライプの素材が増え、デザインされたモデルもつくられていますが「白や黒は、商品やサイズを切らさないようにしたい」と門田さんはいいます。
また、サイズは「−3」から「2」までありますが、これは「XXS」から「XL」にあたります。メンズを基本とする店ですが、「−3」や「−2」などは女性も着られます。女性が着られるものでも、シルエットやバランスを変えていません。まさに「定番」といえるものです。このシャツを中心に、パンツとカットソーが中心となるアイテム。加えて、ニットやバッグなどが店頭を飾っています。
「なんでジャケットをやらないんですか? アウターはありませんか、とよく聞かれます。しかしジャケットやアウターがないこともブランドの個性では。もちろんいつかはやろうと思っていますが、最初からどれもやっていくと(ほかと)似たようなショップになってしまう(笑)」
また、サイズは「−3」から「2」までありますが、これは「XXS」から「XL」にあたります。メンズを基本とする店ですが、「−3」や「−2」などは女性も着られます。女性が着られるものでも、シルエットやバランスを変えていません。まさに「定番」といえるものです。このシャツを中心に、パンツとカットソーが中心となるアイテム。加えて、ニットやバッグなどが店頭を飾っています。
「なんでジャケットをやらないんですか? アウターはありませんか、とよく聞かれます。しかしジャケットやアウターがないこともブランドの個性では。もちろんいつかはやろうと思っていますが、最初からどれもやっていくと(ほかと)似たようなショップになってしまう(笑)」
カジュアルでも、きれいに見せるための服。
「パンツは、ジーンズの501や502と同じで、かたち(シルエット)を決めたら、型番を決めてつくっています。一度来店して試着してもらえればリピートもしやすい。ネットでも気軽に買えます。もちろん生地などがなくなればつくれないパンツも出てきますが、その時には新しい素材が加わればいいと思っています」
パンツについて、こう語る門田さん。パンツももちろん、シャツと同じ考え方でつくられています。上の写真で門田さんが手にしているのが、ウールギャバジンを使った定番モデルです。年間を通してはきこなせる素材で、やや太めのシルエットが人気です。ディテールを見ると脇線がパッカリングされています。張りがある素材と見事なカッティングで、穿いたときにきれいなシルエットが出るところも「サンリミット」のパンツの特徴です。
「基本デザインは、カジュアルにつくっていますが、やはりきれいに穿きこなしてもらいたいですね。いわゆる“カジュアル”にはしたくないので」
パンツについて、こう語る門田さん。パンツももちろん、シャツと同じ考え方でつくられています。上の写真で門田さんが手にしているのが、ウールギャバジンを使った定番モデルです。年間を通してはきこなせる素材で、やや太めのシルエットが人気です。ディテールを見ると脇線がパッカリングされています。張りがある素材と見事なカッティングで、穿いたときにきれいなシルエットが出るところも「サンリミット」のパンツの特徴です。
「基本デザインは、カジュアルにつくっていますが、やはりきれいに穿きこなしてもらいたいですね。いわゆる“カジュアル”にはしたくないので」
これからの季節に最適なチノなども加えながら、同じ素材のバリエーションでシルエットが異なるパンツをつくっている点も、買う側にとっては嬉しいところです。たとえばチノの場合、細身のモデルやバギー風の半端な丈にデザインしたモデルなどもあります。いたずらに生地の種類を増やさず、同じ素材でいろいろなデザイン、シルエットが楽しめるところは、定番を目指す「サンリミット」の面目躍如といえるのではないでしょうか。
モノづくりへの思いは、「Sans Limite(=ノーリミット)」
定番的なモノづくりを志向する「サンリミット」ですが、それは商品ラインアップの仕方のことで、つくられるものは十分モードの香りが漂うものです。白シャツにネイビーのパンツを合わせるだけで、時代のモード感が自然と伝わってきます。モードの最先端で長く働いた門田さんのデザイン力と個性が確実に伝わってきます。
「あまりコアなモノづくりにならないように注意しているんですが、ときには『もっとぶっ飛ばなければ』とも思うんです。でも中途半端なものはつくりたくない。ベーシックならばベーシックに、デザインするならばもっともっと、やってみたいんです」
上の写真のシャツは、門田さんのそうした意気込みが表れたスペシャルピース。パッチワークの部分はすべて手作業でつくられて、1点1点、使われる生地や柄が異なるもの。特別なものではありますが、サイズが合えば購入することも可能です。
「あまりコアなモノづくりにならないように注意しているんですが、ときには『もっとぶっ飛ばなければ』とも思うんです。でも中途半端なものはつくりたくない。ベーシックならばベーシックに、デザインするならばもっともっと、やってみたいんです」
上の写真のシャツは、門田さんのそうした意気込みが表れたスペシャルピース。パッチワークの部分はすべて手作業でつくられて、1点1点、使われる生地や柄が異なるもの。特別なものではありますが、サイズが合えば購入することも可能です。
「サンリミット」では、門田さんと奥さんのふたりがデザインを行っています。基本的には、門田さんが布帛のアイテム、奥さんがニットとカットソーのアイテムを担当しています。門田さんは自分でミシンを踏み、パッチワークなどを行っており、奥さんはカットソーの素材を裁断し、ニットのように手編みするという、非常に手の込んだモノづくりもされています。上のバッグは、そうした手法でつくられたもの。定番的でもほかと違って見える理由は、こうした手仕事の味わいを残したモノづくり、あるいはその姿勢にあるともいえるでしょう。
ブランド名はフランス語で、英語でいう「ノーリミット」、「限界がない」という意味です。フランスに住んでいたこともある門田さんが「語感がいい」と名付けたそうです。このブランド名の通り、デザインするものにメンズとウィメンズの境界線はありません。ある意味、デザイナーブランドの枠組みを超えた商品構成をもつブランドともいえます。
「精神的な部分で、固定概念にとらわれず、規制のない自由な発想でモノづくりをしたいという思いがありますね」と、ブランド名に込めた思いを門田さんは語ります。「サンリミット」ではどの商品も、すべてボックスに入れられてお客様に手渡されます。自分のつくる製品ひとつひとつにつくり手の思いが込められた証しともいえるのではないでしょうか。(小暮昌弘)
「精神的な部分で、固定概念にとらわれず、規制のない自由な発想でモノづくりをしたいという思いがありますね」と、ブランド名に込めた思いを門田さんは語ります。「サンリミット」ではどの商品も、すべてボックスに入れられてお客様に手渡されます。自分のつくる製品ひとつひとつにつくり手の思いが込められた証しともいえるのではないでしょうか。(小暮昌弘)
サンリミット 上野店
東京都台東区上野4-6-10 上野すゞやビル2F
TEL:03-5826-4791
営業時間:12時〜20時
定休日:月、木
http://sans-limite.jp