2014-15秋冬コレクションから読み解く、注目トレンド

  • 文:高橋一史
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ミラノやパリで披露された2014-15秋冬コレクションを通して、気になる今季のトレンドをチェック!

暖かいだけでなく、スポーティかつ心地よく。

【KEYWORD 1】ショートブルゾン
スポーティな着こなしが新鮮。

男の定番ワードローブ、ブルゾンがアウターの主役に躍り出てきました。ショート丈のバランスに新鮮味があり、“スポーツミックス”を狙う着こなしでも大活躍します。とくにフロントがファスナーの、ベースボール型と呼ばれるタイプが旬です。スタジャン、MA-1など、選べる幅が広いので、お気に入りを探しやすいはず。「ディースクエアード DSQUARED2」(上写真、上)は、全身をネイビーで揃えたセットアップ・スタイル。ニットキャップも流行中の帽子です。頭に軽く乗せるようにするのがいまどきの被り方。「エルメス HERMES」(上写真、下 Photo : Jean-François José)は、贅沢の極みといえるリバーシブルのレザーブルゾン。カジュアルの枠組みを越えたドレッシーな一着です。
【KEYWORD 2】モスグリーン、キャメル
ウォームな色彩に包まれる、心地よさ。

この秋冬に積極的に活用したいトレンドカラーが、モスグリーンとキャメル。これらはレディスファッションの流行色でもあります。暖かなニュアンスを感じさせる色にぜひご注目を。ほかのトレンドの色は、ボルドー、ダスティパステル(くすんだパステル色)、黒、ネイビー、グレーなど。「ボッテガ・ヴェネタ BOTTEGA VENETA」(上写真、左)はコレクションでモスグリーンを大々的に活用しています。このルックは全身を同系色で揃え、アイテムデザインでは裾リブつきパンツ、ダブル・モンクストラップのシューズでトレンド感満載。話題のブランド「ヴァレンティノ VALENTINO」(上写真、右)は、ブルゾンとインナーをキャメルにして、さりげなく時代感を匂わせています。
【KEYWORD 3】モヘアニット
アウターでもインナーでも使える、本命ニット

近年になり、ニットジャケット、ニットダッフルコートなどが誕生し、男性の新しいワードローブとして人気を博してきました。そしてこの秋冬は、ふわふわのモヘアニットが大豊作です。布帛の服でもモコモコとした起毛素材が多く見られますし、こうした風合いに共通するニットがモヘアといえるでしょう。ブルーボーダーの美しいセーターを発表したのは「ルイ・ヴィトン LOUIS VUITTON」(上写真、左)。これもトレンドのストライプパンツを合わせて、ミニマルシックなバランスに。「コム デ ギャルソン・ジュンヤ ワタナベ マン COMME des GARÇONS Junya Watanabe Man」(上写真、右)は、コレクションのテーマにもなった「ブリティッシュ」のアイコンとしてのパンクなモヘアニットでドレスアップしています。
【KEYWORD 4】マキシコート
ロングコートなら、足首までの長い丈。

ボリュームのあるスタイリングがメンズにも広まってきた中、コートでは足首まであるようなマキシ丈が登場しています。長さを活かして引きずるように歩いたり、風を孕んで裾を翻すような着方がサマになります。合わせるパンツはスリムか、真逆のルーズなものが相性良し。靴はボリューミーなものを持ってくるほうがバランスを取りやすいでしょう。ロングマフラーを締めて縦長を強調している「ランバン LANVIN」(上写真、上)は、バックル付きアンクルのブーツでコーディネートを落ち着かせています。チェスターフィールドコートの「ポール・スミス Paul Smith」(上写真、下)も、ニュアンスのある靴で、コートに負けない足元を演出。

色とディテールに見る、今季らしさ。

【KEYWORD 5】裾リブパンツ
スウェットパンツのようなリラックス感。

男女ともに“スポーツミックス”がファッションのキーワードになっている現在、コレクションブランドからも続々とリリースされているのが、裾にリブがついたパンツ。スウェットパンツも今季のマストアイテムといえますが、上品な着方をしたいなら、このタイプのデザインを選ぶのがいいでしょう。ドレッシーなスラックスの印象を保ちつつ、手軽に着崩しスタイルをつくれる便利なパンツです。掲載の「ボッテガ・ヴェネタ BOTTEGA VENETA」(上写真、左)「ニール・バレット NEIL BARRETT」(上写真、右)は両者とも、コレクション発表したルックの大半でこのパンツを使用。この2点のルックは、モノトーンの色彩でまとめたスポーツシックな着こなしが冴えています。
【KEYWORD 6】ボリューミー・レイヤード
重ね着を工夫して、量感を生むコーディネート

長年にわたりメンズスタイルの主流だったスリムなシルエットを見直す動きが加速しています。シルエットを手軽に変えるコツは、大判のスカーフを活用したり、ルーズなアイテムを着ること。重ね着テクニックを上手く活用して、ビッグシルエットに挑戦してみましょう。「バーバリー プローサム BURBERRY PRORSUM」(上写真、左)は、毛布のようなストールを肩に掛け、スリムパンツで全身にメリハリをつけ、視覚的なボリューム感を生み出しています。こうしたストール使いは今季、多くのブランドで見られます。「ドリス ヴァン ノッテン DRIES VAN NOTEN」(上写真、右)は、アウターにイエロー系の膨張色を用いて、ストリートライクなワイドパンツを組ませたパワフルなルックです。
【KEYWORD 7】グラデーション
華やかな奥に隠された、布づくりのテクニック

色がなだらかに変化していくグラデーションの色彩は華やかなムードがあり、一般的には春夏の服に用いられます。しかし今年は秋冬のアイテムにも多用されています。その理由の一つは、布の織り方に複雑なテクニックが使われるようになったから。「ルイ・ヴィトン LOUIS VUITTON」(上写真、上)のジャケットは、光沢感のあるテーラードジャケット。このルックではインナーやパンツをダークカラーにして、色の美しさを強調しています。「エルメス HERMES」(上写真、下 Photo : Jean-François José)のジャケットは、実はレザーとウールを「ニードルパンチ」という手法で合体させた見事な一着。襟から下へと続くレザーとボディが自然に溶け合い、斬新な表情を生んでいます。
【KEYWORD 8】ダブル・モンクストラップシューズ
今季のシューズは、これ一択。

いま、という時代感を踏まえて革靴を選ぶなら、ダブル・モンクストラップ(以下、DMS)一択と言い切っていいでしょう。この秋冬では多くのファッションブランドを始め、靴専業ブランドからも続々とリリースされています。シューズ全般ではスニーカーの人気も根強く、このジャンルでは「スリッポン」が旬です。今季を代表するシューズはDMSとスリッポンで決まりです。DMSはパンツがスリムでもワイドでも似合い、ボリュームのあるトップスも足元でがっしりと受け止めます。掲載の「グッチ GUCCI」(上写真)のように全身をダークな1トーンでまとめれば、シューズのモダンなニュアンスを最大限に引き出せるはず。