この春、靴の流行はスリッポンが独り占めです。中でも「ベルジャンシューズ」に注目が集まっています。
ノーブルなテイストが香り立つ、「ボウタイ」
「ボウタイ」は「リアルな英国スタイル」をコンセプトにしたスペイン発のシューズブランド。この人気ブランドからも典型的なベルジャンシューズがリリースされています。トウが短めで、ラウンドしたパイピングとヴァンプ(=甲)の中央に入ったリボン飾りが、「いかにもベルジャンシューズ」といったデザインです。アッパーはブラックのスエード素材が使われ、ブラウンのパイピングとのコンビネーションがエレガンスを醸し出します。ソールはアッパーに合わせてブラック、ソールに入った紋章風のブランドロゴも貴族的な雰囲気です。履き口が広めなので、カラフルなソックスとコーディネートすると、いかにも英国紳士のようなスタイルになります。ベルジャンシューズとしては典型的なデザインですし、スエードのブラックということで、一足目のベルジャンシューズとして最適。本格的なつくりながら、買いやすい価格というのも嬉しいところです。
ベルジャンシューズ¥34,650/ボウタイ
問い合わせ先/ユナイテッドアローズ 原宿本店 メンズ館 TEL:03-3479-8180
カジュアルにも似合う「マリア・デ・ロス」のベルジャン
「マリア・デ・ロス」は、スペインの地中海に面したバレンシア州アリカンテにあるシューズメーカー、ビスポークファクトリーがプロデュースした自社ブランドです。この地方はスペインの伝統的なカジュアルシューズである「エスパドリーユ」の生産地として有名ですが、この靴をつくる会社もエスパドリーユを中心にヨーロッパのビッグメゾンの靴を相手先の名前でOEM生産、またエレガントなオペラパンプスなどの生産も得意で、ニューヨークで話題の「スタブス&ウートン」や洒落た伝統靴として人気の「バーカーブラック」もつくっています。このベルジャンシューズは、まさに同社の職人芸を駆使した靴で、エレガントなデザインと高いファッション性が感じられます。ブラウンスエードのアッパーにパイピングやリボンにはカモフラージュ=迷彩柄を採用、ドレッシーなスタイルはもちろんですが、カジュアルな装いにもマッチしたベルジャンシューズといえます。
ベルジャンシューズ¥34,650/マリア・デ・ロス
問い合わせ先/RING JACKET MEISTER 青山店 TEL:03-6418-7855
キャンバス素材を使った「パラッツォ ストロッツィ」
セレクトショップのエリオポールがイタリアの有名ファクトリーでオーダーしたベルジャンシューズです。このファクトリーは、ヨーロッパの高級メゾンの靴を手掛け、靴のつくりの良さでは定評があります。ブランド名は「パラッツォ ストロッツィ」。アッパーの素材は春らしいコットンキャンバスで洗いをかけてありますので、カジュアルな印象に仕上がっています。ヴァンプ中央にはクラシックなタッセルの飾りが付いていますが、このタッセルとパイピングにブラウンの表革がアクセント的に使われています。タッセルの付いたヴァンプ部分が通常のベルジャンシューズよりはやや長めにデザインされていますので、よりエレガントに見えます。細身のドレスパンツにはもちろん似合いますが、アッパーの素材がキャンバスですので、カジュアルなスタイルにもマッチすると思います。色はこれ以外に、デニム風に仕上げたブルーもあります。
ベルジャンシューズ¥38,850/パラッツォ ストロッツィ
問い合わせ先/エリオポール銀座 TEL:03-3563-0456
「ガジアーノ&ガーリング」は、鹿革でラグジュアリー
英国の注文靴=ビスポークシューズでキャリアを積んだ2人、トニー・ガジアーノとディーン・ガーリングが2006年に創業した「ガジアーノ&ガーリング」。英国靴の伝統とコンテンポラリーなデザインが大きな魅力ですが、この「フレスコ」というモデルは、現代の靴ではほとんど見られない、希少な鹿革を使われています。しかも鹿革の中でも「チャイナバック」と呼ばれるビスポーク靴で使われるレベルの良質な革を2人が発掘し、この既製靴に採用しました。鹿革は吸湿性や通気性にすぐれ、しなやかさと柔らかさを持つ革ですが、その特性を活かして、トウとヒールを除いて、ガジアーノ&ガーリング初の「アンライニング(裏地を省いたデザイン)」に。まるで鹿革のグローブのような極上の履き心地をもたらします。パイピングとリボンにはエキゾチックなヘビ革を使用、ラグジュアリーなテイストを演出します。英国のビスポーク靴の伝統と革新性をまざまざと感じさせるベルジャンシューズではないでしょうか。
ベルジャンシューズ¥119,700/ガジアーノ&ガーリング
問い合わせ先/阪急メンズ東京 TEL:03-6252-1381