シンプルさにこそ、“毒”が映える。

写真:岡村昌宏(CROSSOVER) 文:まつあみ靖

「うっとりのテイスト」「気詰まりのテイスト」「不気味さのテイスト」。フード・アーティスト諏訪綾子氏が手がけたゲリラレストランのメニューには、そんな興味を引く言葉の数々が躍る。 「食とは本能的な無意識に訴えることのできる究極のコミュニケーション媒体。旬の食材などでなく、記憶や余韻、気配を味わうことを追求しています」 美食や栄養ではなく、人間の本能的な欲望、好奇心や進化をテーマにパフォーミングアート、インスタレーション、ダイニングエクスペリエンスなど食をめぐる表現を展開する。 時計以外の分野のデザイナーやアーティストを起用したウォッチデザインに積極的に取り組むラドーは、そんな彼女を今...

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