約1世紀前のデザインを蘇らせた、「プロミネンテ ソロテンポ」の色褪せない魅力。【クエルボ・イ・ソブリノスを探求する】Vol.2

文:並木浩一

圧倒的なデザインの強度で、人の目を惹きつけてやまない腕時計「プロミネンテ」。1882年創業のクエルボ・イ・ソブリノスが21世紀に復活した当初からの旗艦コレクションである。流行を無視したように見せながら実は、誰よりもファッショナブルであるという離れ業は、1959年のキューバ革命と前後して休眠したブランドの過去と無関係ではない。その時封印された豊富なアーカイブやデザイン画を、40年の不在から呼び戻したからだ。「プロミネンテ」のケースがみせる角形ケースに曲線の段を重ねた、優美なアールデコ・スタイル。ベル・エポック期を思わせる、踊るようにデフォルメされたシフル・ド・パリ(パリ数字)のフォント。...

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