とりどりの色に表れる、古きよきミネルバの褪せない魅力。

文:並木浩一 写真:宇田川淳

20世紀の初めまで存在していた「ミネルバ」というブランドネームは、いまもヴィンテージ市場でカリスマ的な人気を誇る。ロービートの古典的な機械式腕時計をつくり続け、一方でアナログ表示の機械式ストップウォッチでは世界のトップブランドでもあった。古きよきスイス腕時計の良心とも呼ばれたそのミネルバの工房は消滅したのではなく、モンブランに合流した。モンブランの名前でミネルバの伝統的な時計づくりを続けられていることは、ひとつの奇跡的な物語にも見える。幅広いモンブランのラインアップの中で、ミネルバの血脈が明らかに見えるコレクションが実に味わい深い。 「モンブラン 1858 オートマティッククロノグラフ...

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