固定観念を捨てブドウ一粒一粒と向き合って生まれた、“これぞ自然派”な一本。

造り手たちはワイン醸造を重ねる中で、新たな気づきを得ることがある。そしてそのきっかけはさまざまだ。アパーチャーファームの田辺良さんの場合、それは昨年、日本各地に被害をもたらした台風19号の襲来だった。彼の畑のある長野県も台風の影響をかなり受けそうだと予想した田辺さんは、急遽収穫を早めた。そのため、手伝いに来てくれる収穫ボランティアの人たちといつもはすべてのブドウを畑で選果をするところを、量を半分に減らし自宅で選り分けすることにした。 キッチンのテーブルにブドウを広げて、丸2日かけて、じっくりとブドウを選んだ。見た目は劣化していそうな房でも、ブドウの粒自体を確認していった。 「このブ...

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