生まれ育った扇状地でつくった白は、出汁を効かせた和食にしみじみ寄り添う。

山地が国土の7割以上を占めている日本では、 河川 が 山地 から 平野 や 盆地 に流れて行く場所などに、多くの扇状地が形成されています。まるで扇のように広がった水はけのよい土地は、その広々とした景観から、土地の名に「原」が付くことが多いようです。「桔梗カ原(ききょうがはら)」しかり、「岩垂原(いわだれはら)」しかり。長野県北部にある「日滝原(ひたきはら)」も、千曲川に流れ込む支流によって形づくられました。 こうした扇状地の土壌は、小石を多く含み、水はけが良好。けれどその反面、水はけのよさが農家にとってはあだになり、水不足によって稲がまともに育たないという苦労をしてきたようです。そ...

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