誰もが予想し得なかった円熟の味わい、25年熟成の1995ヴィンテージ日本酒『現外』が発売。

文:梶原博子

「熟成」「ヴィンテージ」という言葉から連想される酒といえばワインやウイスキーが思い浮かぶだろう。そんな固定概念を覆すのが、25年熟成のヴィンテージ日本酒『現外』だ。1995年1月17日に起きた阪神淡路大震災によって被害を受けた酒蔵の中で、奇跡的に残ったタンクがあった。不測の事態のため従来の工程を省き、酒母を絞ってつくられた酒は当時、不均衡な甘みと苦味を要していたという。しかし、20年余りの熟成を経てあらゆる要素が調和し、誰も予想しなかった絶妙な味わいへと変化した。それがヴィンテージ日本酒『現外』の成り立ちだ。 ステムの短いブランデーグラスに注ぐと、光沢のあるアンバーの液色とカラメルの...

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