凹凸のある斜線柄がユニークな、こなれた雰囲気醸すヤシキの「フブキニット」

写真:加藤佳男 文:小暮昌弘

古くから繊維産業が盛んであった北関東の両毛地区で生産しているニットブランドが、デザイナーの矢鋪彩義が自らの名を冠したヤシキ。今季の新作は激しく吹き荒れる吹雪をモチーフとした「フブキニット」だ。冬の吹雪を描いた交互に入る斜線柄が特徴的。斜線に凹凸をつけ、色を変えることで強い風を表現している。石川県に故郷をもつ矢鋪が、地元の田園風景や故郷の文化から影響を受けたイメージをニットのデザインに落とし込んでいるという。着用時に自然と肩が落ち、こなれた印象を与えられるように考えられたフォルムも秀逸。これは着物のパターンをオマージュしたもので、モコモコとしたブークレー糸の質感とあいまって、温かみと軽さ...

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