『時計じかけのオレンジ』で不良たちが被っていた、”紳士的”なボーラーハット

映画『時計じかけのオレンジ』では、主人公・アレックス率いるギャング団「ドルーグ」が、退廃的なバーでドラッグ入りのミルクを飲むシーンが出てくる。そこでドルーグたちは、まるで制服のようにみんな黒い帽子を被っている。よく見るとそれぞれの帽子のデザインは微妙に違っているが、ポスターにも描かれ、この映画の象徴的な役割を担っているのが、アレックスが被っていたボーラーハット(山高帽)だ。 黒の帽子と生成り一色のスタイルとのコントラストが強烈な印象を残すが、そもそもアレックスが被るボーラーハットは、この映画が生まれたイギリスにおいて紳士必携であった帽子だ。その名帽をアウトローの不良たちが被るという皮...

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