まるでロードムービー。プライベートな「親密さ」に既視感を覚える写真家・笠井爾示氏の最新作品集『東京の恋人』

文:幕田けいた

Pen本誌「クリエイターズファイル」でも活躍している写真家・笠井爾示氏の最新作品集『東京の恋人』が発売になりました。 95年に初の個展『Tokyo Dance』を開催してから、20年以上に渡り、東京、そして東京の女性を撮り続けてきた笠井。本書は11年以降に撮影した膨大な作品から約380点をセレクト。有名、無名を問わず、約60名の「東京の女性」が活写されています。 まるでロードムービーを切り取ったような作品に落とし込まれたのは、カッコいい最先端の都市・東京や、ハスに構えた人物像ではなく、親しい人に見せるようなプライベートな日常。セクシャリティを露わにするヌードだけでなく、合間に挿入さ...

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