AUDEMARS PIGUET

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クリエイター・アワード2022
AUDEMARS PIGUET

輝く才能と創造力をたたえよう

2017年に創設され、その1年に活躍した
クリエイターをたたえる
「Penクリエイター・アワード」。
第6回を迎えた今回は、
編集部の選考による受賞者6組と、
各分野のプロが推薦する特別賞10組、
計16組のクリエイターを選出。
例年に比べ漫画やアニメーション分野の
クリエイターに注目が集まるなど、
新たな時代の到来を感じさせる
面々が出揃った。
多くの人の心をゆさぶる作品を
生み出す彼らの瞳には、
どんな景色が映っているのだろうか?
いま最も輝きを放つ、
彼らのクリエイションに迫る。

受賞者PRIZE WINNER

市川染五郎

市川染五郎

歌舞伎俳優 READ MORE
宮崎吾朗

宮崎吾朗

アニメーション映画監督 READ MORE
Chim↑Pom From Smappa!Group

Chim↑Pom
from Smappa!Group

アーティスト・コレクティブ READ MORE
STUDEO

池澤 樹 + 篠原ともえ
/STUDEO

クリエイティブスタジオ READ MORE
反田恭平

反田恭平

ピアニスト/音楽家 READ MORE
山口つばさ

山口つばさ

漫画家 READ MORE

特別賞

アート、テクノロジー、食......。
さまざまな分野のプロフェッショナルたちが、
各々に注目するクリエイターに特別賞を授与。伝統に新たな風をもたらす若手から、
ドラマで引っ張りだこの俳優まで、
個性豊かな面々にフォーカス。
彼らの活動を知れば、
これからのクリエイティブが見えてくる。

池田亮司

池田亮司

アーティスト/作曲家
推薦人
佐藤可士和
クリエイティブ・
ディレクター
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三澤 遥

三澤 遥

デザイナー
推薦人
川上典李子
デザイン
ジャーナリスト
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大西麻貴 + 百田有希

大西麻貴 + 百田有希
/o+h

建築家
推薦人
藤本壮介
建築家
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小林寛司・有巳

小林寛司・有巳

料理人
推薦人
井川直子
文筆業
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高尾俊介

高尾俊介

クリエイティブコーダー
推薦人
真鍋大度
アーティスト
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岸井ゆきの

岸井ゆきの

俳優
推薦人
佐久間宣行
プロデューサー
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太刀川英輔

太刀川英輔

デザイナー/NOSIGNER代表/JIDA理事長
推薦人
山口 周
独立研究者
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村瀬弘行

村瀬弘行

クリエイティブ・ディレクター
推薦人
林 千晶
起業家
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糸井章太

糸井章太

シェフ
推薦人
小山薫堂
プロデューサー
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中谷ミチコ

中谷ミチコ

アーティスト
推薦人
北川フラム
アート・ディレクター
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本ページで紹介したクリエイター・アワード2022受賞者6組、
各分野のプロが推薦する特別賞10組、計16組のクリエイターを大特集。
今年のクリエイションを総括する。
インタビューを交えながらそれぞれの活躍を振り返り、彼らの挑戦、
そこに込められた想いをひも解いていく。
第2特集は「新海誠の世界を泳ぐ」。
Pen 2023年1月号「クリエイター・アワード2022」(11月28日発売)

AUDEMARS PIGUET

Archive

2021
  • 黒河内真衣子 ファッションデザイナー
  • 目[mé] アーティスト
  • 武井祥平 エンジニア
  • anno lab クリエイティブ・ラボ
  • 伊藤亜紗 美学者
  • ヘラルボニー 福祉実験ユニット
  • we+ デザイナー
2020
  • 常田大希 音楽家
  • 鴻池朋子 アーティスト
  • 小林 圭 シェフ
  • 田根 剛 建築家
  • 遠野 遥 作家
  • 神田伯山 講談師
2019
  • 菅田将暉 俳優
  • 光石 研 俳優
  • 塩田千春 アーティスト
  • 石川直樹 写真家
  • 白石和彌 映画監督
  • 佐藤カズー クリエイティブディレクター
  • 瀧内公美 女優
  • 中田敦彦 ユーチューバー
  • 丸龍文人 ファッションデザイナー
2018
  • 吉田鋼太郎 俳優
  • 猪子寿之 チームラボ代表
  • 稲垣吾郎 俳優
  • 名和晃平 彫刻家
  • 松岡茉優 女優
  • 石上純也 建築家
2017
  • 森永邦彦 ファッションデザイナー
  • 高橋一生 俳優
  • 土屋太鳳 女優
  • 岩崎貴宏 美術家
  • 原野守弘 クリエイティブ・ディレクター
  • 村松亮太郎 クリエイティブ・ディレクター
  • 長谷井宏紀 映画監督
  • ヨシダナギ フォトグラファー
  • 最果タヒ 詩人
  • Suchmos ミュージシャン
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市川染五郎
photographs by Norihiko Okimura text by Harumi Taki
styling by Nao Nakanishi hair & make-up by Akane

市川染五郎

歌舞伎俳優

「うつし世はゆめ よるの夢こそまこと」というのは江戸川乱歩の名文句だが、17歳にして浮世離れした美しさをもつ市川染五郎には、ドラマティックな役柄がよく似合う。初出演となった大河ドラマ『鎌倉殿の13人』で演じたのは源義高。人質として差し出され頼朝の娘・大姫の婚約者となるが悲劇的な最期を迎える。6月には『信康』で歌舞伎座初主演。徳川家康の嫡男で、これまた若くして非業の死を遂げる信康を瑞々しく演じた。劇場版オリジナルアニメ『サイダーのように言葉が湧き上がる』では声優にも挑戦。シュウ ウエムラの日本ブランドアンバサダーに起用されるなど、歌舞伎俳優の枠を超え、稀有な存在感を広く知らしめた躍進の1年となった。

市川染五郎

10月に行われた『市川染五郎 歌舞伎舞踊公演〜凛〜』で素踊りで初披露した『吉野山』の稽古風景。静御前と従者・忠信(実は狐)の道行を描いた人気の演目。観客にいかに物語を想像させるか。一挙手一投足に神経を集中する。全身全霊で挑む清冽な瞬間。稽古は深夜まで続いた。

Profile
Somegoro Ichikawa

2005年、東京都生まれ。歌舞伎俳優。07年『侠客春雨傘』で初お目見え。09年『門出祝寿連獅子』で四代目松本金太郎を名乗り、初舞台。18年『勧進帳』で、八代目市川染五郎を襲名。

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宮崎吾朗
photographs by Seiichi Saito
text by Shingo Sano

宮崎吾朗

アニメーション映画監督

愛知県長久手市にある、愛・地球博記念公園の敷地内に、スタジオジブリの世界を表現した公園施設、ジブリパーク(第1期)が構想から約5年半の歳月を経てついに開園した。制作現場を指揮した監督は、ランドスケープアーキテクトとしての経験をもち、三鷹の森ジブリ美術館の総合デザインも務めた宮崎吾朗。アニメーションの世界を立体で具現化するという難題に挑んできた吾朗にとって、集大成ともいえるこのジブリパークでは、作品に描かれていない奥行きの部分まで、あらゆるディテールが緻密にデザインされている。これは、吾朗が父である宮﨑駿や高畑勲といった先人たちの作品の、いちばんの理解者であることの証明に他ならない。

宮崎吾朗

ジブリの大倉庫にある、湯婆婆の執務室。彼女はジブリパークの「にせ館長」でもある。
photographs by Seiichi Saito

Profile
Goro Miyazaki

1967年、東京都生まれ。建設コンサルタントを経て98年に三鷹の森ジブリ美術館の総合デザインを担当。2006年に『ゲド戦記』でアニメーション映画監督デビューを果たし、以来『アーヤと魔女』などの話題作を手がける。

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Chim↑Pom from Smappa!Group
photographs by Tomoaki Shimoyama
edit & text by Shingo Sano

Chim↑Pom
from Smappa!Group

アーティスト・コレクティブ

2005年の結成以来初となる回顧展『Chim↑Pom展:ハッピースプリング』を、22年の春に森美術館で開催しChim↑Pom from Smappa!Group。これまで作品を発表する度に賛否両論を巻き起こしてきた彼らが回顧展をやるとなれば、終始平穏で終わるはずがない。案の定、蓋を開ければ、彼らの代表作である『スーパーラット』の展示の是非や、スポンサー企業の受け入れなどをめぐって、美術館側との激しいバトルが勃発。しかし、そんな顛末も即座に新作の材料へ変えていくという、持ち前のスピード感としなやかさを発揮して、展覧会は大盛況のうちに幕を閉じた。当代きっての過激派は、やはり期待を裏切らない。

Chim↑Pom from Smappa!Group

『Chim↑Pom展「HAPPY SPRING」』
結成17年にして、初の回顧展を開催。初期の作品から本展のための新作まで、合計150点を一挙に紹介する大規模な展覧会となった。展示は「都市と公共性「ヒロシマ」「東日本大震災」などのテーマに即して構成された。サテライト会場の「ミュージアム+アーティスト共同プロジェクト・スペース」では、本展での展示がかなわなかった『スーパーラット』などの展示と、トークライブも開催した。 メインビジュアル 画像提供: 森美術館

Profile
Chim↑Pom from Smappa!Group

2005年、会田誠を介して出会ったメンバーにより結成した、アーティスト・コレクティブ。時代性や社会性をはらんだ作品を次々と発表し、アート業界のみならず、マスメディアや一般市民を巻き込む熱い論争を数多く誘発してきた。

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STUDEO
photograph by Norihiko Okimura
text by Shingo Sano

池澤 樹 + 篠原ともえ/
STUDEO

クリエイティブスタジオ

アートディレクターの池澤樹と、妻である篠原ともえがともに立ち上げたクリエイティブスタジオ「STUDEO(ストゥディオ)」が、設立から2年目にして、国内外で数々の広告賞を受賞し話題を呼んでいる。2022年に制作された『THE LEATHER SCRAP KIMONO(ザ レザースクラップキモノ)』は、世界で最も歴史のある広告デザインの国際賞「ニューヨークADC賞」で銀賞と銅賞を獲得。さらに「東京ADC賞」も受賞し3冠に輝いた。これまでに数々の広告賞で名を馳せてきた池澤と、オリジナリティあふれる創作活動を続ける篠原。このふたりが生み出すストゥディオのクリエイティブは、無限の可能性を秘めている。

STUDEO

『THE LEATHER SCRAP KIMONO』
本来なら廃棄となるエゾ鹿革の切れ端を用い、その曲線を山の稜線に見立て、水墨画を彷彿させる世界をグラデーションで表現した。 photo: Sayuki Inoue ©TANNERS’ COUNCIL OF JAPAN

Profile
Tatsuki Ikezawa+Tomoe Shinohara/STUDEO

池澤:1981年、東京都出身。博報堂を経て2020年に独立し、STUDEOを設立。ロゴ・商品開発から広告までのアートディレクションを数多く担当。 篠原:1979年、東京都出身。歌手活動と並行して文化女子大学短期大学部服装学科に通い、2001年に卒業。デザイナー/アーティストとして活動。

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反田恭平
photographs by Seiichi Saito text by Noriko Hara
cooperation by Steinway & Sons

反田恭平

ピアニスト/音楽家

「10月18日、人生が変わった」と、反田恭平は1年前を振り返る。年に一度ポーランドの首都ワルシャワで開催される世界最高峰のコンクール、ショパン国際ピアノコンクールのファイナルの舞台に立ったのが2021年の同日。ショパンのピアノ協奏曲第1番をオーケストラとともに演奏した反田は、盤石のテクニックと豊かな歌心、そして唯一無二の個性で見事2位を勝ち取った。日本人としては、1970年に内田光子が2位を取って以来の快挙だった。審査員から「君はピアニストではなく芸術家だ」と言われうれしかったと語る反田はいま、自ら創設したオーケストラを指揮して、新たな目標へ歩みを進めている。“クラシック界の革命児”である。

反田恭平

2021年10月、ショパン国際ピアノコンクールでピアノを弾く反田。1次予選から3次予選を経てファイナルまで3週間の長い戦い。 The 18th Chopin Competition in Warsaw, Courtesy of the NIFC

Profile
Kyohei Sorita

1994年、東京都出身。高校時代、日本音楽コンクールで優勝。2014年、チャイコフスキー記念国立モスクワ音楽院に首席で入学。17年よりフレデリック・ショパン国立音楽大学に在籍。21年10月、ショパ ン国際ピアノコンクールで2位入賞。

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山口つばさ
photographs by Seiichi Saito
text by Junko Kubodera

山口つばさ

漫画家

2017年、「月刊アフタヌーン」で連載がスタートした漫画『ブルーピリオド』。20年に「講談社漫画賞 総合部門」受賞を皮切りにアニメ化・舞台化が続き、22年夏には天王洲・寺田倉庫での大規模展覧会、バーバリーとのコラボ企画など漫画・アニメという枠を超えて影響力が広がり、飛ぶ鳥を落とす勢いだ。またその人気は国内にとどまらず、欧米やアジアなど 10カ国以上で翻訳されており、現在も快進撃を続けている。藝大受験という、これまで誰も描かなかったテーマを縦軸に、個性的で魅力的なキャラクターを横軸に展開されるこの作品は、大人が読んでも美術の教養として学ぶことも多い。作者である山口つばさは、漫画という表現の可能性をまたひとつ広げたと言えるだろう。

山口つばさ

2017年6月、『ブルーピリオド』が『月刊アフタヌーン』(講談社)で連載開始。
©山口つばさ/講談社

Profile
Tsubasa Yamaguchi

東京都出身。東京藝術大学卒業後、2014年に月刊『アフタヌーン』の新人賞「四季賞」で佳作を受賞。デビュー作は15年に月刊『good! アフタヌーン』に掲載された『ヌードモデル』。11月21日に『ブルーピリオド』13巻が発売されたばかり。

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池田亮司
photo: Takeshi Asano © Ryoji Ikeda
text by Chie Sumiyoshi

池田亮司

アーティスト/作曲家

「池田さんがアーティストグループ、ダムタイプに参加した1990年代から注目しています。グラフィカルなパターンが音とともに高速で意識に流れ込んでくる作品に常に圧倒されます。ネットワークにつながることが特別だった頃から、時代に先駆けてテクノロジー に取り組み、独特の美意識を貫かれています。デジタルが日常に入り込み、リアリティを感じられるようになったいま、ようやく時代が池田さんに追いついてきたのではないでしょうか」── 佐藤可士和

池田亮司

『data.flux [no1]』 (2020年)
長さ13mほどのディスプレイを天井に配置した作品。鑑賞者の頭上を数字やアルファベットが高速で流れていく。13年ぶりに国内で開催された個展では、池田のダイナミックな近作・新作が、酒造倉庫を改修した空間で体感できた。 photo: Takeshi Asano © Ryoji Ikeda

Profile
Ryoji Ikeda

1966年、岐阜県生まれ。パリ・京都府在住。180 The Strand(ロンドン、2021年)、弘前れんが 倉庫美術館(22年)など世界各地で個展を開催。12月2日に約10年ぶりとなるオリジナルアルバム『ultratronics』をリリース。12月7日にMUTEK.jp 2022に参加。

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三澤 遥
photo: Riko Okaniwa
text by Kaori Iwasaki

三澤 遥

デザイナー

「『UENO PLANET』のプロジェクトを例とするように、自然科学に対するとてつもない関心と徹底したリサーチには、いつも圧倒されてしまいます。そうした三澤さんならではの探究と表現の醍醐味が『WHO ARE WE』展の会場デザインに凝縮されていました。三澤さんが“問い”を続ける姿が実に興味深く、その問いのもと、対象に向き合う姿が、私たちの好奇心を刺激するのです。世界の新しい見方を私たちに気づかせてくれるクリエイターとも言えるでしょう」── 川上典李子

三澤 遥

『WHO ARE WE 観察と発見の生物学』
2021年の大分県立美術館での会場風景。国立科学博物館が所蔵する世界屈指の動物標本群「ヨシモトコレクション」の精巧な剥製を間近に鑑賞できる。photos: Gottingham

Profile
Haruka Misawa

1982年生まれ。武蔵野美術大学卒業後、デザインオフィスnendoを経て、2009年より日本デザインセンター原デザイン研究所に所属。14年、三澤デザイン研究室として活動開始。19年、毎日デザイン賞受賞。

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大西麻貴+百田有希/o+h
photo: Yurika Kon
text by Kiyo Sato

大西麻貴+百田有希/o+h

建築家

「人に寄り添う小さな部分と、大きな造形がうまく共存する空間を生み出していると思います。これまでの曲線的な現代建築と異なり、彼らの作品は質感や手触りを含め、人に近い生き物のような親しみやすさがあります。これからの社会が必要とするのは、人間と切り離された建築ではなく、ひとりでいても一緒にいるような感覚になったり、生活の一部としてパートナーのように寄り添うもの。そういった意味で彼らの建築に新しい時代の可能性を感じています」── 藤本壮介

大西麻貴+百田有希/o+h

『シェルターインクルーシブ プレイス コパル』
設計・施工・運営・維持管理がチーム一丸となって進められた、山形市南部に建つ児童遊戯施設。奥の蔵王連峰と呼応する、存在感ある曲線状の真っ白な大屋根が特徴的な建築だ。

Profile
Maki Onishi

1983年、愛知県生まれ。東京大学大学院工学系研究科建築学専攻修士課程修了。2008年より大西麻貴+百田有希/o+h共同主宰。22年に横浜国立大学大学院Y-GSAプロフェッサー アーキテクトに就任。

Yuki Hyakuda

1982年、兵庫県生まれ。京都大学工学部建築学科卒業、同大学大学院工学研究科建築学専攻修士課程修了。2008年よりo+h共同主宰。09〜14年、伊東豊雄建築設計事務所勤務。17年より横浜国立大学非常勤講師。

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小林寛司・有巳
photo: Lionel Beccet
text by Akiko Wakimoto

小林寛司・有巳

料理人

「自分たちの土地というアイデンティティをもつレストランは、いまや都市の料理人の憧れの存在となりましたが、ローカル・ガストロノミーの第一人者であり頂点であるのがこのおふたり。ようやく時代が彼らに追いついた感があります。小林シェフは、色数の多い絵の具で絵を描くことができる人。しかも既製品の色でなく、自分自身の色を畑という場でつくり出せる。同店の成功には、料理以外のすべてを一手に引き受けるマダムの功績も大きいと思います」── 井川直子

小林寛司・有巳

「農家レストラン」をイメージしたヴィラ アイーダの店内には、食前酒や食後のお茶を飲めるソファスペースもあり、個人の家に招かれたよう。テーブルの天板は和歌山の古材を活用してつくったもの。店の隣には600坪の自家農園がある。 photo: Kanji Kobayashi

Profile
Kanji Kobayashi

1973年、和歌山県生まれ。大阪で2年間、イタリアのリストランテ ドン アルフォンソ 1890などで4年間修業し、98年、リストランテ アイーダを開業。2021年「ミシュランガイド京都・大阪+和歌山 2022」において2つ星獲得。

Yumi Kobayashi

1975年、大阪府生まれ。大阪の自然派ワインレストランで料理人として働き、2003年独立、大阪玉造にてフレンチワインのビストロ、ル・ピリエをオープン。結婚を機に自分の店を辞め、マダム兼ソムリエールに。

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高尾俊介
photo: Ioto Yamaguchi
text by Ryohei Nakajima

高尾俊介

クリエイティブコーダー

「自分も卒業した、情報科学芸術大学院大学IAMASの後輩で、彼のことは活動初期から知っていました。NFTの世界で知らない人はいないと言えるほど、ジェネラティブアートの次世代スーパースターです。マイペースに活動していましたが、NFT作品『ジェネラティブマスクス』をきっかけに広く知られるようになりました。作品制作やコミュニティ貢献以外の無駄な発言をすることもなく、真摯な活動スタイルが多くの若者たちからリスペクトを集めています」── 真鍋大度

高尾俊介

『ジェネラティブマスクス』
リロードするたびに色が変わり、 幾何学的なグラフィックが自動生成されるNFTアート。売上はクリエイティブコーディングの発展のために全額寄付された。

Profile
Shunsuke Takawo

1981年、熊本県出身。甲南女子大学文学部メディア表現学科講師。2021年にNFTアートプロジェクト「Generativemasks」を発表。Processing Community Japan所属。ジェネラティブアート振興財団代表理事。

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岸井ゆきの
edit & text by Shingo Sano

岸井ゆきの

俳優

「2022年は公開作品の数もすごいですが、一つひとつの仕事の水準が本当に高くて、とにかく大躍進の年だったんじゃないかなと思います。NHKの『恋せぬふたり』、日テレの『パンドラの果実』、TBSの『アトムの童』と、1年で3本もゴールデンのドラマのヒロインをやりながら、さらに映画も5本公開ですからね。特に12月公開の『ケイコ 目を澄ませて』は試写で観させていただきましたが、岸井さんの演技の素晴らしさに、一瞬も目が離せませんでした」──佐久間宣行

岸井ゆきの

『ケイコ 目を澄ませて』
第72回ベルリン国際映画祭正式出品作品。2013年までに4戦を戦った、耳が聞こえない実在の元プロボクサー小笠原恵子の自伝『負けないで!』に着想を得て、刻一刻と変化するケイコの眼差しと、彼女を案じる家族やジムの面々の心のざわめきを、情感豊かに16mmフィルムへと焼き付けた。12月16日公開。監督・脚本は三宅唱。ボクシングジムの会長役には三浦友和。 ©2022「ケイコ 目を澄ませて」製作委員会/COMME DES CINÉMA

Profile
Yukino Kishii

1992年、神奈川県生まれ。高校在学中にスカウトされ、2 0 0 9年にドラマ『小公女セイラ』でデビュー。20年、映画『愛がなんだ』で第43回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。現在TBS日曜劇場『アトムの童(こ)』に出演中。

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太刀川英輔
courtesy of Eisuke Tachikawa
text by Hiroyasu Yamauchi

太刀川英輔

デザイナー/NOSIGNER代表/JIDA理事長

「イノベーションを戦略や組織の面から整理する試みはこれまでたくさん行われてきましたが、ビジネスの世界で閉じこめられている感があり、『イノベーションの発生原理』に踏み込んで考察したものは少なかったように思います。本書は『生物の進化』という有効性が実証されている現象を網羅的に構造化し、それをイノベーション原理につなげたという点で、非常に画期的でした。本というモノ自体のつくり方も美意識が貫かれていて著者の情念を感じます」── 山口 周

太刀川英輔

『進化思考』海士の風
生物の進化と同じように、変異型思考と適応型思考というふたつのプロセスを繰り返すことで誰もが創造性を発揮させられると説く、新しい思想の書。読者が進化思考を実践・体得できるようにと懇切ていねいな記述が展開される。photographs by Mirei Sakaki

Profile
Eisuke Tachikawa

デザイン事務所、ノザイナー代表。2025年大阪・関西万博日本館基本構想クリエイター。SDGsや地域活性などを扱う数々のプロジェクトに参加。グッドデザイン賞金賞、アジアデザイン賞大賞他、国内外100以上の受賞歴がある。

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村瀬弘行
text by Kaori Iwasaki

村瀬弘行

クリエイティブ・ディレクター

「伝統工芸を継承する家の5代目に生まれながらデュッセルドルフでアートを学んだという面白い経歴の人。技術を守るためには伝統工芸のままでいてはだめだと、いまの生活に合うかたちへアップデートし、一朝一夕にはできない技や時を重ねたものに価値を置くヨーロッパの人々に受け入れられています。産地の有松地区は国際芸術祭『あいち2022』の会場に選ばれたり、若い人たちが絞りの技を習いに訪れるなど、地域創生としても注目されている場所のひとつです」──林 千晶

村瀬弘行

『suzusan 22AW』
今年の秋冬は「Fleiheit(自由)」をテーマに、型に縛られない表現を試みることにトライ。大胆にもハートやLOVEの文字をあしらった。木綿だけでなく、カシミアなどのニットにも表現の幅を広げた。

Profile
Hiroyuki Murase

1982年、愛知県・名古屋市生まれ。デュッセルドルフ国立芸術アカデミー在学中にsuzusan e.K.を設立。デュッセルドルフと有松を拠点に、モダンに再解釈した有松鳴海絞りを取り入れたファッションやインテリアアイテムを展開する。

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糸井章太
photographs by Akemi Kurosaka
edit & text by Shingo Sano

糸井章太

シェフ

「糸井さんは、自分のセンスやメッセージを伝えるよりも、その料理を食べた人を幸せにすることをいちばんに考えられる優しい心と、ゲストはもちろん食材の生産者や、支えてくれる人たちを惹きつける磁力をもっています。それだけでなく、最高においしいものをつくるということは前提としつつも、その先に、料理で社会にどう貢献できるかということにまで目を向けて考えていて、新時代の料理人のあるべき姿を体現するような人物だと思います」── 小山薫堂

糸井章太

日華石の上に盛り付けられたアミューズの一例。この日は、ヨモギを練り込んだ五郎島金時のドーナツ(手前)、数種のスパイスが香る加賀れんこんチップス(奥右)、農口尚彦研究所の酒粕焼酎で酔っ払わせた西俣どじょうのフリット(奥左)が並んだ。
photographs by Akemi Kurosaka

Profile
Shota Itoi

1992年、京都府生まれ。2018年に日本最大級の料理人コンペティション「RED U-35」で、史上最年少の26歳でグランプリを受賞。22年7月、石川県小松市にオープンしたオーベルジュオーフのシェフに就任。

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中谷ミチコ
courtesy of Michiko Nakatani
text by Naoko Aono

中谷ミチコ

アーティスト

「中谷さんは通常なら作品にしない『雌型』を使って、普段見えない形を見せてくれます。見る角度によって人や犬の表情が変わるのも興味深い。建築的なセンスもあって空間の扱いがうまいんです。越後妻有里山現代美術館MonET(モネ)で作品を依頼した時も、カーブのある壁にうまく収まるようつくってくれました。アーティストグッズもつくっていますが、リアリティのある面白い展開ができる。これからどんなふうに変わっていくのか楽しみです」── 北川フラム

中谷ミチコ

『小さな魚を大事そうに運ぶ女の子と金ピカの空を飛ぶ青い鳥』(2022年)
50周年を迎えた『第43回丸の内ストリートギャラリー』(主催:三菱地所、監修:公益法人 彫刻の森芸術文化財団)のためにつくった新作。東京・丸の内仲通りに設置されている。モチーフは妊婦。2025年5月まで展示予定。 photographs by Takehiro Goto

Profile
Michiko Nakatani

1981年生まれ、三重県在住。物語性のあるイメージを塑造し、石膏で型取りした雌型(めがた)に透明樹脂を流し込んで制作。11/30〜1/22まで、アートフロントギャラリー(東京)で、立体作品をメインとした個展を開催。

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