「ウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブ 2025」で、パネライは「ルミノール」の新たな進化形を発表した。ブランドを象徴するコレクションに素材と機構の革新が加わり、伝統とミリタリーのDNAがいま鮮やかに再定義される。そしてタイムピースの本質を問い直す新作の数々が、腕元に新しい物語を刻むのだ。
1. ルミノール マリーナ

パネライの魂ともいえる「ルミノール マリーナ」が、新たなフェーズへと突入した。2025年の新作では、視認性・防水性・快適性といった機能美が一段と研ぎ澄まされている。最大の変化は、シリーズ史上初となる50気圧(=500m)防水を実現した点。しかも、ケースの厚みは従来より12%、重量は15%も軽量化されており、装着感が飛躍的に向上している。これを支えるのが、新開発の自動巻きムーブメント、「Cal.P.980」だ。トラバースバランスブリッジとストップセコンド機能を備え、正確な時刻調整と堅牢な精度を両立。さらに文字盤には、ルミノール初となる「スーパールミノバ X2」を採用し、暗所でも強く美しく光を放つ。

デザイン面では、パネライの象徴であるレバーロック式リュウズプロテクターとサンドイッチ構造のダイヤルが健在。ブラック、ブルー、ホワイトの3色展開に加え、ブラック、ブルー、ホワイトの3色展開に加え、サンブラッシュ仕上げのライトブルーダイヤルと新設計のV字型メタルブレスレットを組み合わせた、メゾン初の仕様もラインナップされる。新型のV字型ブレスレットはケースからシームレスにつながり、クイックアジャスト機能も備えることで、長時間でも快適な装着感を実現。また、あらゆる仕様に「PAMクリックリリースシステム」が搭載され、工具なしでストラップ交換が可能だ。
伝統に敬意を払いながら、細部に至るまで徹底的に再構築された“新しい定番”。それが、今春登場した「ルミノール マリーナ」なのだ。



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2. ルミノール マリーナ チタニオ

ミリタリールーツに新たな素材美が融合した「ルミノール マリーナ チタニオ」。この新作は、軽量かつ堅牢なグレード5チタンをケースに採用することで、44㎜径の堂々たる存在感を保ちつつ、快適な着用感を実現している。素材の採用は、パネライが1980年代に軍用プロトタイプ「ミッレメトリ」で初めてチタンを使った歴史に遡る。高い耐食性と強度を備えたこの素材は、過酷な海軍用途にこそ真価を発揮する。
深みのあるサンブラッシュ仕上げのオリーブグリーンダイヤルは、パネライのミリタリーDNAを色濃く反映。ホワイトのアラビア数字とグリーンに発光するスーパールミノバが、洗練と実用性を兼ね備える。付属するスエード調カーフストラップとラバーストラップは、いずれも着脱が容易な「PAMクリックリリースシステム」を採用。
海軍由来の堅牢なデザインコードに、軽量かつ高耐久なグレード5チタンを融合。視認性、装着性、素材革新のすべてを兼ね備えたこのモデルは、「ルミノール マリーナ」の系譜に新たな象徴性を刻む、次世代のアイコンとなるはずだ。
3. ルミノール パーペチュアルカレンダー GMT プラチナテック

パネライの技術力と美意識が結晶した、真のフラッグシップ。それが「ルミノール パーペチュアルカレンダー GMT プラチナテック」だ。ケースには、通常のプラチナよりも約40%硬度が高く、傷にも強い独自合金「プラチナテック」を採用。ラグジュアリーな存在感と日常使用に耐える堅牢性を併せ持ち、時計の未来像を再定義する。
濃紺に色づけされたサファイアダイヤルは、カレンダーディスクやムーブメントの構造が透けて見える革新的なデザイン。視認性と芸術性を兼ね備え、複雑機構をあえて見せる美学が息づいている。搭載されるのは、自社製自動巻きムーブメント「Cal.P.4100」。最大の特徴は、永久カレンダーのすべての設定がリューズのみで完結する点にある。日付・曜日・月・閏年といった情報を、前後どちらの方向にもスムーズに操作できる画期的な仕組みは、これまで“取り扱いの難しい複雑機構”とされてきた常識を根底から覆す。
さらに、GMT表示とAM/PMインジケーター、特許取得の衝撃保護機構、マイクロローターによる自動巻き構造など、多層的なイノベーションが凝縮されている。操作性、耐久性、精密さ──そのすべてを刷新しながら、クラフツマンシップの本質を問い直す。このモデルは、パネライが描く“未来の伝統”である。