市内から波佐見、三河内まで、長崎の旅で訪れたいスポット5選

  • 写真・文:鈴木修司

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ビームスジャパンの鈴木修司です。今回の旅の舞台は、意外にも初登場の長崎県です。

私の大好きな長崎県は、ひと括りに紹介するのは難しく、各地域で魅力的な文化が見られます。さまざまな名所が集中する長崎市内はもちろん、雲仙岳を中心に有明海に開ける島原半島、大村湾を取り囲み、東シナ海に開ける西彼杵半島、日本有数の工業港であり軍港の佐世保、異国から伝わった文化が色濃く残る平戸、豊かな自然と独自の歴史を堪能できる五島列島、そして私もまだ行ったことのない壱岐と対馬。それぞれの地域に惹かれます。

いきなり話が大きくなってしまいましたが、今回紹介するのは長崎市内と焼物(陶磁器)産地の波佐見と三河内です。

1. 鎖国時代からの伝統を守る小川凧店

長崎空港に到着してまもなくレンタカーを借り、楽しみにしていた海鮮ランチがてら、大村湾沿いに長崎市内を目指します。まず伺ったのは長崎の伝統文化である“凧(ハタ)”の作り手である「小川凧店」さん。

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日本各地に手仕事の凧は多くあれど、こちらのものは独特、そもそも呼び方が“ハタ”と特徴的で、他の地方とは成り立ちが別なのです。私が説明せずとも知られた話ですが、鎖国時代にオランダ船の乗組員が嗜んでいたものが由来だそうで、それらしいデザインで、外国のものと見間違えてしまいます。ご主人の小川さんのおしゃべり自体が楽しく勉強になるので、気になる方はお買い物がてら現地へ赴くことをオススメいたします。

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2. マニアックな品が見つかる、長崎県物産館

そして、長崎の市街地で大切な打ち合わせを終えた後は、大切なお買い物タイムです。ここに限らずですが、主要な都市の駅前にはおおよそ“観光物産館”なるものがあるので、出来れば寄られるとよいでしょう。

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その土地の情報収集に役立ちますし、有名なものからあまり知られていない地場の名産品まで一手に見る(買う)ことが出来ます。新幹線開通により新しく大きく建て替えられた長崎駅構内のお土産物屋さんもよいのですが、ぜひとも駅から数分足を伸ばして、コチラの「長崎県物産館」へ行ってください。離島も含め県内全域の工芸品や食、地酒まで幅広くマニアックな品揃えで充実しています。

物産館の下階がバスターミナルとあって、ついでにオススメしたいのが裏手に広がる昔ながらの飲食店街です。

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3. 長崎名物に浸る、うまかもん亭

その一角にあるお店(うまかもん亭)で頂いた“かつちゃんぽん”、想い出に残る美味しさでした。想い出ついででもう一つ、晩酌のお供に頂いた長崎ならではの酒の肴“くじら刺し”も最高でした。長崎を訪れる際、是非試して欲しい一皿です。

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4. 窯元と絶景の棚田に出合う波佐見

翌日に向かったのは、長崎市内から車で小一時間、日本屈指の焼物産地の波佐見です。長年お付き合いのある窯元を訪ねるために“皿山”と呼ばれる中尾山へ。主に九州各地でそうなのですが、焼物を作っている集落のことを皿山と呼び、そのような地名を聞くだけで旅情が盛り上がってきます。

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中腹にある皿山からさらに山を上っていくと、感動の景色が広がってきます。まさに往時の生業であった“半農半陶”を象徴する素晴らしい棚田で、なんと“鬼木の棚田”という地名です。

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他の地方でも時折見るのですが、“鬼”が付く地名に個人的にとても惹かれます(そのあたりの話をするとキリがないので割愛)。コチラも是非訪れてみてください。

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5. 歴史と文化が学べる、三河内焼美術館

次に向かったのは、波佐見同様に焼物で有名な“有田”に隣接し、知る人ぞ知る産地である“三河内”です。平戸藩の御用達の窯で、上手(じょうて)の焼物をルーツとする地域ですが、いまでも精緻で美しい絵付けで知られています。まず“三河内焼美術館”で一堂に展示された古いものから現代のものまでを見てみてください。

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現代のものは購入も出来ますが、焼物好きならずとも訪れて、三河内の歴史と文化に存分に触れて頂きたいです。“手描き”が基本という予備知識のもとで見て頂くと、驚きと関心の連続で、いつしか欲しいものを手に取っていると思います。ちなみに私の大好きな道の駅も併設されているので、地場の名産品もチェック出来ます。

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6. 優しさ染みる、ぎょうざ飯店

最後に余談で、波佐見と三河内の“皿山”探訪に合わせて頂いたのが、長崎名物の“皿うどん”。次の目的地である佐世保(の話はまた改めて!)に向かう途中で見つけたなんとも味わいのあるお店(ぎょうざ飯店)でしたが、長崎県人の優しさが染みるような美味しさでした。

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BEAMS JAPAN クリエイティブディレクター鈴木修司が日本の魅力を紹介! 

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鈴木修司

BEAMS JAPAN クリエイティブディレクター

1976年、三重県松阪市生まれ、ビームスと同い年です。年間120日近くを旅に費やし、日本各地の様々な場所で魅力的なモノ・ヒト・コトに関わる仕事をしています。肩書きは“BEAMS JAPAN”のクリエイティブディレクター、日本に関係することあれば比較的なんでも来いのスタンスです。大学などで講師を務めることも。『銘品のススメ』著者、『都道府県おでかけ図鑑』監修。

鈴木修司

BEAMS JAPAN クリエイティブディレクター

1976年、三重県松阪市生まれ、ビームスと同い年です。年間120日近くを旅に費やし、日本各地の様々な場所で魅力的なモノ・ヒト・コトに関わる仕事をしています。肩書きは“BEAMS JAPAN”のクリエイティブディレクター、日本に関係することあれば比較的なんでも来いのスタンスです。大学などで講師を務めることも。『銘品のススメ』著者、『都道府県おでかけ図鑑』監修。