スポーツカーで「私をスキーに連れてって」

  • 写真:GR

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苗場スキー場にセリカGT-FOURとくれば、ユーミンの「SURF & SNOW」!

トヨタのスポーツカーブランド「GR」。その雪上試乗会が苗場スキー場で行われました。冬の苗場といえばプリンスホテルで行われるユーミンのコンサート。1980~90年代に全盛を迎え、現在もおおくのファンに支えられるコンサートの翌日、レース直系のGRヤリスとGRカローラに試乗してきました。

 

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GRブランドから発売されている「GRカローラ(左)」と春頃に発売を予定している「進化型GRヤリス」。エンジンをはじめ足回り、内装までGRならではチューニングが施されています。

 

GRが初の雪上試乗会を開催するというので苗場スキー場の特別コースに行ってきました。雪上試乗会は、低いミュー(滑りやすい)の雪上で高くないスピードで安全にクルマの特性を試すことができす。腕に自信のないドライバーでも思いっきりアクセルを踏んで、ブレーキを踏んでコーナーに飛び込めば、カウンターを当てながらラリードライバーのような運転ができます。氷上や雪上で高出力のスポーツモデルを操るのは、傍目から見ると危険な行為のように見えますが、じつはまったく逆。スピードも出ないし、コースもレールのように轍をつくることによって誰もがドリフトをしながら楽しめるのです。

雪上コースで試乗できたのは3種のモデル。今春に発売が予定されている「GRヤリスの6速マニュアル(MT)モデル」GR-DATという8段オートマチック(AT)を搭載したATのGRヤリス」。そして「GRカローラ(MT)」の3台。

まず最初に乗ったMTのヤリスはそのサスペンションの滑らかさに驚きます。ボコボコに穴の空いた雪道に追従するサスペンションにまずおどろきます。そしてハンドルを切るとまさに意のままに方向を変えていきます。さすがラリーで鍛えられたクルマです。その走りは一級です。

次に乗ったATモデルはスポーティな走りに対応する新開発ATモデル。アクセルを踏むとダイレクトに加速し、そのレスポンスにおどろきます。ただ、一度アクセルを閉じてスピードが落ちた後、全開にしたときの追従性はやはりMTには負けます。おそらく街乗りではかなり進化したスポーツATになっているのでしょう。

最後のGRカローラはヤGRヤリスに比べてトレッドが広いので、安定した走りが楽しめます。常に気の抜けないハンドル操作が必要なのがGRヤリス、冷静に次のコーナーを読み、最小限の修正でコーナーを抜けるのがGRカローラという感じです。

GRヤリス、GRカローラともにベースモデルの素晴らしさが際立ちました。

今回の試乗会、会場を苗場に設定したのにも理由がありました。トヨタのスポーティな四輪駆動車が活躍した映画「私をスキーにつれてって」の舞台とされるスキー場が苗場なのです。試乗会の前夜にはユーミンの苗場コンサートも行われ、ゲレンデでは本物のWRCマシンが爆走したそうです。この試乗会、すでに来年も予定されているそうで、苗場はGRブランドの聖地になるかもしれません。

 

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WRCにも出場するGRヤリスの特長は、高出力のエンジンと引き締められながらもしなやかな足回り。雪上でカウンターをあてても不安を感じません。

 

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GRカローラはGRヤリスの兄貴分といった感じのハンドリング。落ち着いていてジェントルに走るので安定感に優れています。

 

多田 潤

『Pen』所属のエディター、クルマ担当

1970年、東京都生まれ。日本大学卒業後、出版社へ。モノ系雑誌に関わり、『Pen』の編集者に。20年ほど前からイタリアの小さなスポーツカーに目覚め、アルファロメオやランチア、アバルトの60年代モデルを所有し、自分でメンテナンスまで手がける。2019年、CCCカーライフラボよりクラシックカー専門誌『Vマガジン』の創刊に携わった。

多田 潤

『Pen』所属のエディター、クルマ担当

1970年、東京都生まれ。日本大学卒業後、出版社へ。モノ系雑誌に関わり、『Pen』の編集者に。20年ほど前からイタリアの小さなスポーツカーに目覚め、アルファロメオやランチア、アバルトの60年代モデルを所有し、自分でメンテナンスまで手がける。2019年、CCCカーライフラボよりクラシックカー専門誌『Vマガジン』の創刊に携わった。