スモークサウナのビールをつくりました!

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    毎年夏に、青森のBe Easy Brewingとサウナをテーマにしたクラフトビールをつくっています。今回は、冬に飲みたいビールをつくりたかったのと、冬の雪深い青森に行きたかったので、初の冬ビールをつくりました。(念願の千人風呂・酸ヶ湯に行ったお話はこちらから)

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    毎回、サウナにちなんだビールを考えているのですが、不思議なことにいつも思いつくのはサウナに入っていない時。今回は家のお風呂あがりでした。


    フィンランドの伝統スモークサウナは締め切ったサウナ室で薪をガンガンに焚き、煙でいっぱいにしてサウナストーンやサウナ室自体を温めます。8時間も薪を燃やし続けたあと、小窓から煙を出し、予熱で入るのがスモークサウナです。その手間暇から「キングオブサウナ」と呼ばれています。

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    スモークサウナは、ドアを開けると心地よい煙の香りが顔を撫でます。温度の質感は、フカフカの毛布に包まれたような優しい感じ。ただ、ロウリュすると強く野太い熱に変わるという、自由自在のサウナです。

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    そんなスモークサウナを感じられるビールを作りたいとBe Easy Brewingのお馴染みギャレスに相談して、スモーキーなモルトを使いつつも、飲み口がさっぱりしたラガーに決定しました。そして雪の青森へひとっ飛び!


    ブルワリーに着いた瞬間からすぐ仕込み開始です。ベッドブルワーの中林さんがモルトを準備して待っていてくれました。

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    モルトをぐつぐつ煮て糖化させて麦汁をつくります。燻製したベーコンの匂いがしていました。

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    次に麦汁をろ過させます。麦汁を煮沸タンクに移動させたらホップを投入。

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    ろ過したモルトは、全部掻き出してタンクの掃除。ビールづくりは、実はほとんどの作業が掃除と消毒です。

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    使い終わったモルトは肥料にしたり、ニワトリの餌にしたりなど再利用します。

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    あとは、グルグルと撹拌させて、冷却。やっと発酵タンクへ移動です。この作業に半日かかります。


    ここまで来たらわたしの役目は一旦終わり。ラガーは発酵が完了するまで約1ヶ月ちょっとかかるので、発酵の見張りはギャレスと中林さんに託します。

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    そして1ヶ月後、できあがったビールを缶とケグに詰めて出来上がりです。こうしてみなさんの乾いた喉へとお届けされるというわけです。

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    スモークサウナビール、Be Easy Brewingの通販サイト、または全国のビアバーなどでお飲みいただけます。ぜひ、日本にいながらフィンランドのスモークサウナのドアを開けて、薄暗いサウナ室で、冷たいビールを飲む感覚、味わってみてください!

    岩田リョウコ

    文筆家、イラストレーター

    コロラド大学大学院東アジア言語文明学科卒。2009年から外務省専門調査員として在シアトル総領事館勤務。在米中に出版した『COFFEE GIVES ME SUPERPOWERS』がベストセラーとなり世界5ヵ国で翻訳出版されている。サウナ愛好家でもあり、フィンランド政府観光局サウナアンバサダーに任命されている。著書に『週末フィンランド』、『エンジョイ!クラフトビール』、『コーヒーがないと生きていけない!』、『HAVE A GOOD SAUNA!』がある。
    Instagram / Twitter / Official Site

    岩田リョウコ

    文筆家、イラストレーター

    コロラド大学大学院東アジア言語文明学科卒。2009年から外務省専門調査員として在シアトル総領事館勤務。在米中に出版した『COFFEE GIVES ME SUPERPOWERS』がベストセラーとなり世界5ヵ国で翻訳出版されている。サウナ愛好家でもあり、フィンランド政府観光局サウナアンバサダーに任命されている。著書に『週末フィンランド』、『エンジョイ!クラフトビール』、『コーヒーがないと生きていけない!』、『HAVE A GOOD SAUNA!』がある。
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