ディオール×ビルケンシュトックが気になる!発売日、価格ともに未定

  • 文:高橋一史

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コラボでない通常商品を、ファッション用語で“インライン”と呼びます。
ファッションの展示会場では、
「これインラインですか?コラボですか?」
なんて台詞が飛び交います。
一昔前ならコラボアイテムが圧倒的にカッコよかったスポーツ系のウエアやフットウエアですが、最近はインラインで満足のいくものが増えました。
自分で買うのも人に薦めるのも、価格が手頃なインラインがまず第一候補に。

でもしかし……新発表されたディオール、ヤバいです。
コンフォートサンダルの雄、ビルケンシュトックとのコラボ。
まだ写真しか見てませんが、上品さとストリート感とが絶妙に調和する逸品に仕上がっている予感。

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photo©Dior

ライトグレーと、ハードなアイコンバックルの、無駄のないストイックなデザイン。
アッパーは左右ともにフェルト。
アウトドアソックスと相性のいい冬仕様です。

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photo©Dior

バックル金具を含め、ライトグレー、黒、茶(オレンジ系)の3色に絞られた配色は、全身を3色以内にまとめるメンズコーディネートのセオリーと合致するもの。
ファッションブランドがビルケンシュトックとコラボすると、むき出しになったコルクソールをアレンジすることが多いなかで、あえてそこを残しているのも気が利いてます。

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photo©Dior

定番「トキオ」をベースにしたモデルはインラインにないキャップトゥつき。
実用的かつレトロな味わいです。
アウトソールの半分にはなんと、「ディオール オブリーク」のグリップが。
樹脂を流し込む金型を、全サイズ分つくったってことですよね?
お金掛けられるメゾンじゃなきゃできない芸当です。

2022-23年冬シーズン向けとして発表された、発売日、価格ともに未定のサンダル。
私なんぞが手に届かない高価格になるのは間違いないですから、いま10足ほど持ってるビルケンシュトックを大事に履き続けることにします……。
でもほしいな、さすがにこれは。

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バックルのデザイナーは、現ジバンシィのクリエイティブ・ディレクター

今回のコラボサンダルに採用されたバックルは、現在のディオールのメンズの立ち位置を象徴するアイコンパーツ。
メンズ部門を率いるキム・ジョーンズが、ラグジュアリーストリートシーンでブレイクした、1017ALYX 9SM(以下、アリクス)のデザイナーのマシュー・ウィリアムズに制作を依頼したもの。
もともとはアリクスの人気を決定づけたバックルだったのです。

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photo:KAZUSHI

上のアイテムは私物のアリクスのウエストバッグ。
どーしてもアリクスを何か1点ほしくて、2018年に買いました。
高価でしたが、時代感覚を吸収する投資だ!と自分に言い訳して。

軍人やレスキュー隊員が使うほど安全で信頼性の高い屈強なバックル。
この男っぽさがストリートで支持され、ジェンダーレスなムードに方向性を変えたディオールにもハードな側面をプラス。
さすがキム・ジョーンズなディレクションです。

「ローラーコースターバックル」とも呼ばれるのは、ジェット(ローラー)コースターの座席ベルトに使われているから。
マシュー・ウィリアムズがジェットコースターに乗ったとき、ファッションに応用するのを思いついたらしく。
ちなみに、アリクスとは彼の娘さんの名前。
素敵なブランド名ですね、ストリート系とは思えないほどの。

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photo:KAZUSHI

上は昨年購入した、イギリスの美術学校の学生とビルケンシュトックとのコラボサンダル。
持ってるなかでもっとも好きなビルケンです。
“愛用”となると、部屋履きしてる汚れきったビルケンこそナンバーワンだと思いますが。
気になる方はぜひ以下のリンクのアーカイブ記事をご覧くださいませ。

イギリスに注文したビルケンシュトックが、名門ファッション学校生のデザインだった
www.pen-online.jp/article/008481.html

高橋一史

ファッションレポーター/フォトグラファー

明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
ご相談はkazushi.kazushi.info@gmail.comへ。

高橋一史

ファッションレポーター/フォトグラファー

明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
ご相談はkazushi.kazushi.info@gmail.comへ。