落語は一期一会。何割かでも落語ファンになってくれたらいいなと思っています

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    35 立川志らく| 落語家

    各界で活躍する方々に、それぞれのオンとオフ、よい時間の過ごし方などについて聞く連載「MY Relax Time」。第35回は、落語家の立川志らくさんです。2015年1月から始めた独演会「立川志らく落語大全集」では、16年かけて200席を超える全ネタを演じる志らくさん。一方で近年はTVの分野にも進出し、『ひるおび!』(TBS)のコメンテーターや『プレバト!』(MBC)俳句(名人四段)などとしてもおなじみです。

    写真:大河内 禎 構成:和田達彦  

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    立川志らく(たてかわ・しらく)●1963年、東京都生まれ。日本大学芸術学部演劇学科在学中の1985年10月に立川談志に入門。1988年に二つ目昇進、1995年に真打昇進。現代に通じる古典落語とオリジナルのシネマ落語は幅広い年齢層に支持され、全国で独演会を展開中。映画監督(日本映画監督協会所属)、映画評論家、劇団下町ダニーローズを主宰。​

    生活スタイルは月〜金のTV出演が中心ですが、それはここ5、6年のこと。元々何十年もTVに出ずに落語をしてきたので、常に頭は落語家。TV向けに切り替えたりはせず、自分の感情そのままにやっています。そのせいで時々怒られちゃったりするんだけど(笑)。落語家としては、独演会の「立川志らく落語大全集」はライフワークと思ってやっています。最近はTVを見て、落語を聞くと言うよりは有名人を見るために来られる方も増えました。ただそういうお客さんを喜ばせる芸はしていません。元々の落語ファンが離れてしまうから。落語は一期一会。有名人を見に来た方のうち、何割かでも落語ファンになってくれたらいいなと思ってやっています。

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    私は日曜日には仕事を入れず、自宅で家族と過ごします。平日もTVの仕事が終わったらまっすぐ家に帰る。芸人としてはこんなにつまらない奴はいない(笑)。でも破滅型の人のほうがいい芸ができるってのは妄想で、遊びまくってて売れてない人もたくさんいる。そうじゃなくたって好きな落語やTVの仕事をやれる毎日​だからいいじゃないかと思っています。家では、映画を観たり昭和歌謡を聴いたりしていることが多いですね。昭和歌謡は元々は師匠が好きで、師匠の言いつけで音源の整理をしているうちに自分もはまってしまいました。古い曲でも自分にとっては初めて聴く新曲。全集などが出ると買って片っ端から覚えちゃう。反面、いまの流行りの曲にはすっかり疎くなっちゃいましたね。

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    日常の気分転換法は、競馬と美術館に行くこと。たばこは20代半ばから吸っていたんですが、40すぎた時に病を患って医者から酒とたばこを禁止されたことですっぱり止めました。ただやめてからもとくにたばこに対して嫌悪感はないですね。むしろ狭い喫煙所に入るために行列をつくって肩身が狭そうにたばこを吸っている人を見ると、もっとおいしそうに吸える場所をつくってあげればいいのにと思います。落語ではたばこが重要なアイテムになるし、映画もそう。『さらば友よ』や『マカロニ』など、たばこにまつわる名シーンは多いですよね。いまはドラマでもたばこを出しづらいみたいですが、ちょっと神経質になりすぎかな。銀行強盗が車に乗るシーンで、シートベルトをしてないと怒られちゃうとか。エンタメの世界から全部を消しちゃいけないと思います。

    『第四回 オール日芸寄席〜おっと天下の日大事〜​』

    開催日:2021年12月25日
    開催場所:有楽町・よみうりホール
    千代田区有楽町1-11-1 読売会館7F​
    TEL:03-6721-0505 ※ワタナベエンターテインメント、13時〜18時(月〜金)
    開演:13時〜 ※開場は開演1時間前から
    料金:一般¥6,000(税込) ※全席指定、チケットぴあ、ローソンチケット、イープラスで10/29から発売​
    出演:高田文夫 田中裕二(爆笑問題) 立川志らく 三遊亭白鳥 春風亭一之輔​
    企画・構成:高田文夫
    制作:吉田正樹
    主催:ワタナベエンターテインメント ​
    www.watanabepro.co.jp/liveinfo/12591

    問い合わせ先/JT

    www.jti.co.jp