Food 粋な遊びの活力源! 吉原発祥の郷土鍋。

粋な遊びの活力源! 吉原発祥の郷土鍋。

桜なべ 中江

桜なべ 中江

エリア:三ノ輪

文明開化が進む横浜で当時大流行した「牛鍋」。東京でも一躍人気となったこの鍋料理をもとに、安価で余剰な馬肉で代用し、浅草・吉原で誕生したのが「桜鍋」です。


スタミナがつく桜鍋は、遊廓に繰り出す前や朝帰りの腹ごしらえに、と東京随一の歓楽街として栄えていた吉原で瞬く間に名物料理となりました。多い時には吉原界隈だけで20以上もの店が軒を連ね、また桜鍋が語源となって「馬力をつける」という常套句が生まれたりと、往時の人気ぶりがうかがい知れます。


明治38 年創業の「桜なべ 中江」は、吉原に現存する唯一の専門店。甘めの生醤油(割下)に味噌だれを加える定番のスタイルは、初代・中江桾太郎氏の発案によるものです。馬肉は、九州・久留米の契約牧場から冷凍せずに直送される6 ~ 8 歳の純国産馬を使用。小さな浅底の鉄鍋でロースやヒレ、ザクと呼ばれるタマネギ・特製の白滝や麩を好みで煮て、溶き卵にくぐらせながら食せば、甘辛くコクのある味わいに頬がゆるむ。

締めは、残った煮汁に混ぜた中落ち・すくい豆腐・玉子をご飯にかけて。「馬勝った!」と言わずにはいられない100 年越しの粋な口福が訪れます。


上写真:掘り込み式になった客席は1階に30席、2階に48席。壁には、かつて常連だった作家・武者小路実篤の直筆の詩や歌舞伎役者の11代目・市川團十郎の書が飾られている。

粋な遊びの活力源! 吉原発祥の郷土鍋。

鉄分豊富なヒレ¥2,500、旨みの多いバラ¥2,400、定番のロース¥1,700、ザク¥560、玉子¥100、あとご飯セット¥680。タルタルステーキ¥1,400など桜肉を使用した一品料理もある。

粋な遊びの活力源! 吉原発祥の郷土鍋。

見返り柳が有名だった吉原大門のほど近く。関東大震災で倒壊したが翌年に再建され、戦禍を逃れた日本家屋が風情を残す。建物は国の有形文化財にも登録されている。吉原で桜鍋を売る店はいまでは2軒のみとなった。

    東京都台東区日本堤1-9-2
    TEL:03-3872-5398
    営業時間:17時~22時L.O(土・日・祝は11時30分~21時L.O.)
    定休日:月曜日
    http://www.sakuranabe.com/
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