Food 昭和を讃える日本家屋でしっぽり酒。

昭和を讃える日本家屋でしっぽり酒。

あて 煮込 肴

あて 煮込 肴

エリア:市ヶ谷

東京を散歩していると、ふと曲がった路地裏でビルの谷間に残る古い木造建築に出合うことがある。その瞬間、いまは過ぎ去りし「昭和」という時代の風景が脳裏に広がる。


がらがらとガラス戸を開けると玄関があり、靴を脱いで座敷に上がる。艶光りする板の間や土壁、畳……。ここは昭和34年に建てられた当時の名残がある一軒家の居酒屋。高級料亭のようなハレの席とは異なり、日本人の暮らしに合った慎ましやかな美しさを体感できる。


まずは磨きこまれた銅製の燗酒器でぬる燗を頼みたい。そしてお酒に合わせるのは、煮物や干物、だし巻き卵といった素朴な料理。これらは日本の家庭でもよく出される定番の品だ。ひと口飲んで、ほっと溜息をつく。

映画監督・小津安二郎が描いた物語の世界に、ふと入り込んだ気分になっていく。燗酒以外にも、搾りたての新酒、涼やかな夏の冷酒、熟成して味ののった秋のひやおろしと、四季を通じて日本酒を味わえる。昭和時代の晩酌といえば日本酒。

タイムスリップした気分を味わいながら、日本酒を飲んでみるというのも素敵ではなかろうか。


上写真:2階の広間。すりガラスやちゃぶ台のようなテーブル。新しさだけでなく、こういう風情に価値を見出す店があるのも、東京のいいところ。

昭和を讃える日本家屋でしっぽり酒。

鰯の梅煮¥700、田舎肉じゃが¥750。肉じゃがは具材を一度揚げて煮込んでいる。醤油とみりんを使った料理は日本人のソウルフード。

昭和を讃える日本家屋でしっぽり酒。

1階のカウンター席に置かれた燗酒器。約30種類の日本酒があるが、燗酒にお薦めなのはやはり純米酒。カウンターには大皿料理もずらり並ぶ。

    東京都千代田区九段南4-8-34
    TEL:03-3262-0044
    営業時間:11時30分~13時30分L.O.~17時~22時30分L.O.(フードのみ22時15分L.O.)
    定休日:日曜日・祝日
    http://yumemania.jp/tenpo/ate/
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