腕時計の未来をつくる、トレンド&話題集。

注目と期待を一身に集め、エルメスがSIHHに初参加。

エントランス付近に陣取ったエルメスのブース。デザインを担当したRDAIは、世界中のエルメスブティックの内装デザインを手がける建築事務所。

今年からバーゼルワールドを離れ、SIHHへの出展を選択したエルメス。その存在感ゆえに、オープン前から期待は大いに高まっていた。それに応えた新ブースのデザインは、建築設計事務所RDAIが担当。1月11日の香港ブティック誕生から1週間も経たないうちに、エルメスの世界観を改めて表現してみせた。モダンでありながら木の温かみをもつ内観に、ガラスのキューブに収められた腕時計の展示。アトリウム中央に据えられた木製のインスタレーションは、オランダ人アーティストのレヴィ・ファン・ヴェルーによるもので、内部に潜ませたローテクな装置で9種類のアニメーションを映写した。2013年にバーゼルワールドに登場した伊東豊雄によるブースとはまた違う形で、エルメスのエレガンスを表現。ウォッチデザイナーのマルク・ベルティエが「私が考えたヒーロー像とは、旅行者であり、探検家」であると語るように、エルメスの時と時計へのアプローチが他とは異なることを印象づけた。