「古きよきミネルバ」の時代を開封する、極上のリミテッド

【気になる+α モンブラン】「古きよきミネルバ」の時代を開封する、極上のリミテッド

「1858 クロノグラフ タキメーター リミテッドエディション」。手巻き、ブロンズ、モノプッシャ―クロノグラフ、ケース径44mm、ケース厚13.15mm、レッドゴールド仕上げのルミセント針、パワーリザーブ約50時間、アリゲーター革ストラップ、世界限定100本。¥3,242,000(税込み)

2006年からモンブランの傘下、というよりも完全サポート下にあるマニュファクチュールがミネルバです。スイス時計の良心ともいえる存在で、悪口には定評のあるフランスやドイツの時計ジャーナリストたちからも、まるで身内のような支持を得ています。過去約10年、モンブランが腕時計でも世界的な名声を得ていった原動力でもあるでしょう。

そのミネルバのはるか昔のデザインを、最近のモンブランはよく引用し、素敵なヒストリック感のある新作を出してきます。2007年の白眉はこの「1858 クロノグラフ タキメーター リミテッドエディション」です。例年モンブランブース訪問時には敬意を表し、旧ミネルバの腕時計を着けていくのを私的な習慣としているのですが、今年はかなり“ニア ”。2ボタンとモノプッシャーの違いはありますが、1960年代製の私物“キャリバー20”が、色濃く面影を残す一門の末裔に、時空を超えて遭遇しました。

濃密なヴィンテージ感が心をそそる新作です。ブロンズ製のケースは、言ってみれば「褪色したゴールド」のような色合い。もちろんゴールドが色褪せるわけではないのですが、経年の小傷やくすみを経た“キャリバー20”の金色を再現したような、実にいい枯れ具合ではないでしょうか。シャンパーニュ色の文字盤にゴシック調の数字ロゴ、やたら離れた左右のサブシダリー・ダイヤルまで、オールド・ミネルバ的な魅力が匂い立ちます。ムーブメントの仕上げも申し分なく、極上です。(文:並木浩一)

【気になる+α モンブラン】「古きよきミネルバ」の時代を開封する、極上のリミテッド

右が新作の「1858 クロノグラフ タキメーター リミテッドエディション」、¥3,501,360 。左は取材者の私物のオールド・ミネルバ。新作のていねいな引用の仕事がよくわかります。

●問い合わせ/モンブラン コンタクトセンター TEL 0120-39-4810

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