4つのキーワードからひも解く ピアジェ、究極のエレガンス。

ひとつでふたつの顔をもつ、孤高のメゾン。

文:篠田哲生

時計もジュエリーも、一貫して自社製造で行う。

ジュネーブ郊外、プラン・レ・ワットにある工房“マニュファクチュール・ド・オートオルロジュリー・ピアジェ”は、2001年に完成。
外観は近代的だが、内装には木をふんだんに使っており、細かい作業が続く職人のストレスを軽減させる。

エレガンスを極めたピアジェ「アルティプラノ」は、スイスにあるふたつの拠点から生まれます。ムーブメント工房は創業地ラ・コート・オ・フェにあり、宝飾工房はジュネーブ。この“時計”と“宝飾”というふたつの要素を、社内一貫製造できるというのがピアジェの強みです。極薄ウォッチの製造や組み立ても、精緻で美しいジェムセッティングも、卓越した職人技がなくては実現できません。その両方を社内一貫製造できるピアジェは、まさに技巧派の極みなのです。

ムーブメント製造工房として、
ラ・コート・オ・フェに
拠点を構える。

1945年に完成したラ・コート・オ・フェの時計工房。200名以上のスタッフを雇用していたそうです。
究極の極薄ウォッチ「アルティプラノ」の中でも、特に薄くてエレガントなのが、
裏蓋にパーツを直接組み込むこの「900P」です。
現代の組み立て工程の様子。椅子や照明器具などは新しくなっていますが、窓も前に作業机を並べる方法は同じ。
いつの時代も、極薄ムーブメントは優れた職人の手仕事がなければ、つくることができないのです。

1855年に生まれたジョルジュ=エドワール・ピアジェは、若くして時計技術者に弟子入りして腕を磨き、1874年に独立。スイス北部の山村ラ・コート・オ・フェに、時計工房を立ち上げます。これがウォッチ・ジュエリーメゾンとしての「ピアジェ」のルーツです。この地は一年の半分が雪に閉ざされるため、冬になると農夫たちは時計のパーツをつくり、生計を立てていました。辛抱強く、ていねいな仕事をする農夫時計師たちを雇い入れたピアジェの工房は、まずはパーツづくりから始め、その後はムーブメント製造にも着手。その品質の高さが評価され、1920年頃には名だたる名門メーカーの時計に、ピアジェ製のムーブメントが搭載されるようになりました。
1943年。優れたピアジェの時計技術を最大限に生かすために「PIAGET」を商標登録し、ウォッチ・ジュエリーメゾンとして再スタートを切ります。1945年にはラ・コート・オ・フェに研究施設やアフターサービス部門なども備えた新社屋が完成。ここから生まれたのが、極薄ムーブメントの傑作「9P」と「12P」です。
このムーブメントを搭載したエレガントな時計は、男性からも女性からも人気を集めました。さらに極薄ウォッチのメリットを生かして、オーナメンタルストーンのダイヤルやケースにジェムセッティングを施したドレスウォッチも発表。その製造を依頼していたジュネーブの宝飾工房を次々と傘下に収めることで、ピアジェは理想的な時計づくりを行う体制を整えていきました。
こういったノウハウの蓄積が、現在の「アルティプラノ」へと結びついたのです。

ジュエラーならではの、熟練の職人技が光る。

時計製造とジュエリー製作の両方を手がけるプラン・レ・ワット工房では、こうしたハイエンドなウォッチジュエリーを手がけています。
ジェムセッティングも金属加工も得意技。デザイナーと職人が直接コミュニケーションをとることで、寸分の隙もない美しい作品ができるのです。

ピアジェが時計づくりを本格化させた1960年代、時計と宝飾というふたつの技術を高次元で融合できるメゾンはほとんど存在しませんでした。しかも1976年には、ジュネーブに新工房を立ち上げ、市内に分散していた宝飾部門を集約。時計の組み立てと貴金属ブレスレット製造をひとつの建物で行うことで、美と技の融合がさらに深化します。
当時のピアジェは、極薄ムーブメントというメリットを活かして、ケースに宝石を豪奢にセットした時計を得意としていました。さらに宝飾技術のノウハウを活かしてジュエリー製作にも力を入れ、ウォッチメーカーでありながらジュエラーとしても、高い評価を得るのです。
ラ・コート・オ・フェで生まれたムーブメント工房は、極薄ムーブメントという強みを発見し、その個性を活かすために宝飾技術に磨きをかけました。“薄い時計”はほかにもありますが、精度や持続時間といった実用性は保ちつつ、ケースフォルムやカラーリングでエレガンスを追求しているのは、「アルティプラノ」だけでしょう。
優れた技術をもったウォッチメーカーと、美への探求心を持ったジュエラーというふたつの顔が融合することで、今年誕生60周年を迎える極薄ウォッチ「アルティプラノ」は唯一無二の時計へと辿りつきました。時計製造でもジュエリー製作でも共通していることは、「常に必要以上に良いものをつくる」という、創業当時から変わらない姿勢です。その一貫したモノづくりへのこだわりこそが、ひとつでふたつのマニュファクチュールというユニークな体制を生み出し、メゾンを孤高の存在へと押し上げました。創業当時からの変わらぬこのメッセージこそが、今後もピアジェが歴史に名を残すプロダクトをつくることを可能にし、時代を華麗に革新していくことでしょう。

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