君は完璧さ!? 常勝ボルボの顔、XC60に乗れば未来を...

東京車日記いっそこのままクルマれたい!

第60回 VOLVO XC60 / ボルボ XC60

君は完璧さ!? 常勝ボルボの顔、XC60に乗れば未来を語りたくなる。

構成・文:青木雄介

編集者。長距離で大型トレーラーを運転していたハードコア・ドライバー。フットボールとヒップホップとラリーが好きで、愛車は峠仕様の1992年製シボレー・カマロ改。手に入れて9年、買い替え願望が片時も頭を離れたことはない。

日本カー・オブ・ザ・イヤー受賞。個人的にはグッドデザイン賞もあげたいぐらいの、ミディアムクラスSUVとして秀逸すぎるデザイン。シグニチャーランプが印象的に見えるし、全体のバランスのとり方が完璧だよね。「見たままのいいクルマですよ」って言えちゃう凄みもあるし。

いまからほぼ10年前、「ボルボはよくなったなぁ」とびっくりさせられたのが先代のXC60でした。車体は軽量化されながらも高い剛性できっちりと仕上げられ、街乗りSUVとして目指す方向は明確になっていた。とにかくびっくりするほど乗りやすくて、安全と箱型以外で形容したくなる、初めてのボルボって感じだった。そんな青天の霹靂なイメージチェンジで、世界的に大ヒット。その後のボルボ躍進の鍵になったのは、周知の通り。そんなボルボのターニングポイントとなったクルマが、10年ぶりのモデルチェンジを果たした。

新型XC60は、上位モデルのXC90との共通点も多い。外観はそのままだし、内装も新世代ボルボを踏襲している。それに加えボルボならではの安全運転支援機能、インテリセーフを標準装備し、XC60では3つの衝突回避に関する新しいステアリングアシストを追加した。ボルボの先行車自動追従機能であるオートパイロット(自動運転レベル2)は楽ちんで、長距離の高速道路走行でもまったく疲れを感じさせるところがなかった。使わなかったけれどオートパーキングや、音声でカーナビの目的地や車内の温度設定を操作できるインフォシステム「センサス」も付いていて、今日の先進的な運転支援技術はほとんど網羅されている。もはやそのへんは、「ボルボだからね」というお約束ですらあるよね(笑)。

現在のボルボのよさのひとつに、グレードは別として「最新のモデルは最良のボルボ」という、メーカーとしてよい循環がなされていることが挙げられる。XC60の価格は中堅クラスのSUVとしては決して安くはないけれど、現在ボルボがもっている先進機能の“全部載せ”を考えたら、コストパフォーマンスは圧倒的に高い!  かつ5人乗りのSUVに求められるパワーや乗りやすさ、使い勝手のよさは、ほぼ満額回答しているって感じ。その上で“もっているクルマ”の贅沢な悩みの部分だけだよね。これはボルボに限らずだけれど、自動追従モードにすると猛烈な眠気に襲われるとか、割り込みが増えるとか身も蓋もない悩みから(笑)、急な加速減速に慣れていない同乗者がクルマ酔いしちゃうかも、とかね。時として路肩の駐車車両を誤認識してアラートが鳴ったり、電柱やポール状のものは障害物として認識しにくいみたいとか、じっくり乗ってみると不得意なところも見えてくる。

今回は新型XC60で、東北に春スキーをしに行ってきたんだけれど、“もたざるクルマ”との差は痛いほど実感させられた。ロングドライブの疲れがまったく違うからね。それと同時に、思うところもあった。今後の焦点は、その機能がどれだけ自然に、しなやかに動作するか。この点は、メーカー間での差が大きく出るはずなんだ。たとえば日本でも近年さらに人気が高まってきた、世界第2位のシェアを誇るボルボの大型トラック。このトラックの自動変速機はI-シフトって言うんだけれど、これはドライバーの癖や好みを自動学習する。短時間で車重に対するドライバーのアクセル量を測って変速に反映するんだけれど、これがめちゃくちゃ優秀なんだよね。

こういう機能は、自分の運転感覚との齟齬を埋めていくヒントになるのかもしれない。クルマの学習ぶりを「学びが足らん!」とか言っちゃったりするわけ(笑)。でもそれよりプログラミングされた運転が、自分が運転するよりも、よりしなやかで自然な運転を体感させてくれることになるかもしれない。いずれにしても「走りがいい」のは当たり前で、その先を評価する時代が来る。間違いなく、そのへんが新たな高級車の定義にもなるよね。XC60は実感的に、そんなモビリティの未来について話したくなるクルマだったな。

ボルボ XC60
●エンジン:2.0ℓ直列4気筒ターボ
●出力:254PS
●トルク:350Nm
●トランスミッション:8速AT
●車両価格:¥6,790,000(税込)~

問い合わせ先:ボルボお客様相談室
TEL:0120-55-8500
www.volvocars.com/jp

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