コントロールショットでピンそばピタリ!? フォルクスワーゲンのアルテオンで、素敵に輸入車ライフを始めよう。

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    東京車日記いっそこのままクルマれたい!

    第57回 Volkswagen Arteon / フォルクスワーゲン アルテオン

    コントロールショットでピンそばピタリ!? フォルクスワーゲンのアルテオンで、素敵に輸入車ライフを始めよう。

    構成・文:青木雄介

    編集者。長距離で大型トレーラーを運転していたハードコア・ドライバー。フットボールとヒップホップとラリーが好きで、愛車は峠仕様の1992年製シボレー カマロ改。手に入れて11年、買い替え願望が片時も頭を離れたことはない。

    セダンはやっぱり横っ面が命。その点、アルテオンは流行のファストバックで、クーペらしさを強調していて格好いい。個人的には、後部ドアを開いた時のプレスラインの鋭角な突き出しが好き。隠しもったカッティングエッジ的な(笑)。

    いつの間にか発売されていた感があるフォルクスワーゲンの4ドアファストバック、アルテオン。都内で初めて見かけた時も「あぁ、コレが噂のフラッグシップ!」って感じですんなり入ってきたのは、まずこのデザインがひと目見てフォルクスワーゲンとわかるから。クロームパーツの艶っぽさを強調しつつ、どこよりもシャープなプレスラインできっちりクルマのキャラクターを表現するのが、昨今のフォルクスワーゲンのデザインの特徴。それがブランド全体の高級感の演出にもひと役買っているのだけれど、アルテオンはその流れの象徴的なモデルと言えるんじゃないかな。

    とはいえ、ラグジュアリーさを意識的に打ち出してきたというメーカー主導の感じはあまりしない。もともとその名の通り「大衆のためのクルマ」として質実剛健、ドイツの機能主義的なメーカーの代表格だったフォルクスワーゲンが、シュアなモノづくりと技術力でブランド力を押し上げてきた積み重ねの中で、高級感のあるデザインがフィットしてきたってことだと思う。アルテオンに乗ってみると、欧州メーカーは昔ほどブランド間の差がなくなってきた感覚もあるよね。フォルクスワーゲンがアルテオンのような大型セダンを出すのも、「確かにパサートの上のグレードってなかったよな」とすんなり納得できちゃったわけ。

    走りは想像通りのよさ。2Lでも280馬力あって、4輪駆動。大人4人を乗せてもきっちり気持ちよく走る!  車線をキープしながら先行車を追従するアダプティブクルーズコントロールなんかの快適性能も充実で、メルセデスやBMW、アウディ、ボルボで同じサイズのセダンを買うことを考えると、断然価格的にメリットがある。トランクルームは「ゴルフをしろ!」と言わんばかり(笑)の大容量、563 Lでめちゃデカい。そうそうゴルフと言えば、取引先や銀行なんかで頻繁にクルマを見られる手前、前述の欧州メーカーには乗りたくても乗れないっていう、声なき欧州車潜在購買層にアルテオンはぴったりだと思うんだよね。端的に言うと「稼いでいると思われたくない」クルマ好きの諸兄だね(笑)。

    ご近所の目を含め(笑)、世間体を気にして輸入車を買えない現状ってまだまだあって、そこが輸入車販売の足枷になっていたりするわけだけど、アルテオンなら手堅い印象を与えて、同業者の嫉妬ややっかみだって華麗にスルーしてくれるはず。値段と燃費を聞いてくる退屈な連中にさらりとこたえて、「そういう選択もあるんだ」とスマートな切れ者でいきたい感じだよね!  「引退までは輸入車に乗れない」なんてあきらめている諸兄に、アルテオンで「素敵な輸入車ライフを始めませんか?」って感じ。なんか、そんな日本の残念な横並び社会を想像しながら乗っていたら、その走りが自由への切符のようにも感じられて、とてもよかったんだよね。うん、それもまたフォルクスワーゲンって感じ。

    フォルクスワーゲン アルテオン
    ●エンジン:2ℓ直列4気筒TSIターボ
    ●出力:280PS
    ●トルク:350Nm
    ●トランスミッション:7速DSG
    ●車両価格:¥5,490,000(税込)~

    問い合わせ先/フォルクスワーゲン カスタマーセンター
    TEL:0120-993-199
    www.volkswagen.co.jp