パワードスーツは、もうここまで進化している! 人工筋肉を日常的に身に纏える「サイズミック」を見に行こう。

  • 文:天野透

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速乾性に優れたトレーニングウェアに、人工筋肉モジュールをプラス。ロボティクスで身体能力をサポートするという、SFチックなハイテクウェアが日本で初披露となりました。

「パワードスーツで運動量を強化できる」と聞けば、多くの人はSFの話かと思うでしょう。しかし、それはもう未来の話ではありません。一般消費者向けに開発された「Seismic Powered Clothing(サイズミック パワード クロージング)」が、二子玉川 蔦屋家電に新設されたイベントスペース「Tech Front(テック フロント)」にて、日本で初のお目見えを果たしました。

電動の人工筋肉を使ったマッスルユニットを、ニットウエアの腰や股関節に装着。センサーとAIが身体の自然な動きに反応し、「立ち上がる」「腰を下ろす」「長時間立ち続ける」といった日常動作を最大出力30ワットの力でアシストしてくれます。稼働している機器の状態や、負荷がどれくらいかかっているのか、スマートバンドでモニターすることが可能です。

ウエアには速乾性とストレッチ性のあるニットを使用。薄手の生地なので、シャツのようにアウターの中に着込むことができます。各1kgのマッスルユニットや、8時間駆動のリチウムイオンバッテリーを取り外せば、洗濯機で丸洗いも可能。スーツの総重量はおよそ2.5kg、駆動音はささやき声ほどの40dB未満です。

開発者はヤマハと共同で自律型のバイクライディングロボット「モトボット」などを手がけたリッチ・マホーニー。もともとは兵士の負傷リスクの軽減と持久力向上を目的として、アメリカ国防高等研究計画局(DARPA)の資金提供で開発された技術でした。しかし、「軍事目的以外にも使えるならば、この技術でより多くの人をアクティブにしよう」という熱い思いを胸に、2015年にプロジェクトを開始。筋力や体力が低下してきた高齢者はもちろん、立ち続ける仕事をしている人や、ハイキングやゴルフなどを趣味にしているあらゆる年代層をターゲットにしています。

着用者のタイミングに合わせてスーツのサポートを受けるには、筋肉とスーツがぴったりフィットする事が必須。そのため一般的なサイズ展開は無く、着用者に合わせたカスタムフィットスーツが提供されます。基本的にオーダーメイドなので定価は発表しておらず、プライスレンジは米ドルにして1,000ドルから5,000ドル程度。日本では今年末を目途に限定リリースを導入予定、テックフロントでは実際にサイズミックを着用したスタッフが質問に答えてくれるイベントを毎日開催しています。ぜひ、最前線の技術を目の当たりにしてください!

マッスルユニットを入れるポケット部分やベルトには、伸縮性バツグンのニット生地を使用。ハードな外骨格は無く、着るロボットではなくあくまでアパレルというスタンスです。


サイズミック ショールーム
開催期間:2019年6月7日(金)~8月6日(火)
開催場所:二子玉川 蔦屋家電 Tech Front
東京都世田谷区玉川1丁目14番1号 二子玉川ライズ S.C. テラスマーケット
TEL:03-5491-8550
https://store.tsite.jp/futakotamagawa