老舗のクロノグラフを選ぶなら、「最旬モデル」か「伝統の武骨さ」か?

  • 文:並木浩一
  • 写真:宇田川 淳

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両天秤の腕時計
文:並木浩一 写真:宇田川 淳

老舗のクロノグラフを選ぶなら、「最旬モデル」か「伝統の武骨さ」か?

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BREITLING
ブライトリング

意中の一本に絞り込んだつもりでも、最後の一瞬まで「あっちも気になる」のが時計選びの常。悔いなき結論に至るには、とことん吟味が必要だ。今回は、ブライトリング。パイロット・ウォッチでクロノグラフ、という条件を付けても選び放題のブランドで、旬の二本を考えたい。

「ナビタイマー 8 B01 クロノグラフ 43」は、今シーズンからの新コレクション「ナビタイマー 8」の代表モデル。いまなら、最旬のモデルを誰よりも早く着けられるチャンスである。従前の「ナビタイマー」に積まれていた回転計算尺をポインター付き回転ベゼルに移行し、現代クロノグラフの主流である正調デザインに回帰した。アラビア数字インデックスにピストン型のプッシュピース、下三つ目のレイアウトに、自社開発・製造ムーブメント〝キャリバー01〞を搭載し、シースルーバック仕様。スペックは申し分なく、しかもスーツからカジュアルまであらゆるTPOをこなす万能デザインだ。なにより、まだ周りの人が着けていることがほとんどない新シリーズのメインモデルは、この先も長く使える。いまブライトリングの購入を考えたら、絶対に外せない選択肢だ。

一方で、〝ここ〞でしか買えない、ワンチャンスのモデルが「クロノマット JSP」だ。〝ジャパンスペシャル〞の頭文字を採るモデルは、ブライトリングのフラッグシップに特別な仕様を凝らす、日本限定バージョン。なんと「クロノマット」が現行シリーズに移行した2009年に途絶えた、伝説のディテール「ライダータブ」を再装備しているのである。合わせる服も的確に選びたい、硬派を極めたスタイルの一本。一度逃せば、次があるとは限らない。

新しい王道と、蘇った伝説。選ぶのが難しいその答えは各自のライフスタイルの中にあるのだろう。が、選ばなかった一本が惜しくなるのも、間違いなさそうだ。

  • ナビタイマー 8 B01
    クロノグラフ 43

    自動巻き、クロノグラフ、自社製ムーブメント“キャリバー01”搭載、ステンレス・スチール、ケース径43mm、パワーリザーブ70時間、シースルーバック、SS製プロフェッショナル/サテン&ポリッシュ・ブレスレット、100ⅿ防水。¥928,800(税込み)

  • クロノマット JSP

    自動巻き、クロノグラフ、自社製ムーブメント“キャリバー01”搭載、ステンレス・スチール、ケース径44mm、パワーリザーブ70時間、ブラックダイアル、SS製パイロット・ブレスレット、500ⅿ防水、日本限定。¥896,400(税込み)

●ブライトリング TEL:03-3436-0011