部屋が格段にアップデートする、美しい音と佇まい。
家電コンシェルジュ
concierge 麻倉怜士 Reiji Asakura
デジタルメディア評論家。1950年生まれ。デジタルシーン全般の動向を常に見据えている。巧みな感性評価にファンも多い。近著に『高音質保証!麻倉式PCオーディオ』(アスキー新書)、『パナソニックの3D大戦略』(日経BP社)がある。

青野 豊・写真
photographs by Yutaka Aono
ルアークオーディオ アールセブン
ruarkaudio R7〈 オーディオシステム〉

部屋が格段にアップデートする、美しい音と佇まい。

デザインは、1960年代に流行したコンソール型ステレオシステムをもととした。¥538,920(税込)

オーディオの新分野「ライフスタイルオーディオ」は日本でも定着するか。試金石となるのが、英国のルアークオーディオだ。ライフスタイルオーディオとは、生活に寄り添う佇まいをデザインと音に込めたオーディオ製品。生活空間の中で、スピーカーにていい音を聴き、いいデザインを愛でる嗜好性の高い製品だ。

この分野が根付く英国で、特に人気が高いブランドがルアークオーディオ。もとはハイファイ用のスピーカーメーカーとして1985年に創業。熱烈な音楽ファンの創業者は、家具職人の父親の助けを借りて、趣味で家具やスピーカーをつくっていた。それを家族や友人に見せたところ、とても好評だった。そこで、地元で販売を始め、家名からルアークオーディオと名乗ったという。

家業の家具づくりの経験、ノウハウを活かしたデザインセンス、音楽好きが設計する音づくりが評判になり、英国では音楽ファンの間に知られる存在になった。2000年代に入り、得意のデザイン力を活かしてライフスタイル系に進出。当初は高音質なデジタルラジオから始め、一体型(スピーカーとアンプを内蔵)のシステムを手がけ、今春からの日本での発売に至った。

今回、紹介する最上位モデル「R7mk3」は、ルアークオーディオの価値を体現している。アールエッジの木質で覆われたボディと上品なサランネットの懐かしいスタイルは、1950年代の英国で上流家庭に置かれた家具調のコンソールステレオを彷彿とさせる。当時は、レコードプレーヤーからアンプ、スピーカーまでを一体にしたステレオ装置が主流だった。戦前からある「電蓄」(電気蓄音機)の形をステレオ対応にしたシステムだ。R7mk3は昔の形をリバイバルさせ、ライフスタイルオーディオの本筋を提案する。和む人肌感覚のデザインは、リビングルームでの安らぎの核になる。

デザインに注目が集まるのはライフスタイル製品としては当然。だが、本機はそんな水準を遙かに超えたいい音を聴かせてくれる。

内蔵のCDプレーヤーを再生してみた。音の細部が気持ちよく磨き上げられ、音の流れがスムーズで淀みがない。心地いいクリアさと、音楽的な濃さがある。2ウェイ同軸ユニット、サブウーファーユニットは、普通はスピーカー専門メーカーから購入するものだが、なんと自社で開発、製造している。つまりステレオ製品としてトータルな音づくりで臨んでいるということだ。これは専門のスピーカーメーカーでも珍しい。アンプも流行のデジタル型でなく、しなやかな音色のアナログ・トランジスター型だ。温かみのあるスタイリングは、音の傾向と完全に一致する。上質な音楽生活を約束してくれる、傑作ステレオだ。

部屋が格段にアップデートする、美しい音と佇まい。

どの方向を向いていても直感的に操作できるリモコン。本体にも同じインターフェースの操作パネルが付く。

デルフィン・ジャパン TEL:03-5763-5361

※Pen本誌より転載
部屋が格段にアップデートする、美しい音と佇まい。