椅子に魂が吹き込まれるさまを体感できる、リッツウェルの「椅子張り」実演イベント

  • 文:馬庭あい

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自らの手と眼で、生地の張りを細かく確認するリッツウェルの職人。自然な曲線で美しく生地を張るには、技術、経験、感性、すべてが求められる。

「椅子張り」という仕事を知っているだろうか。

それは、椅子づくりの“画竜点睛”ともいえる作業である。椅子の製造は複雑で、組み立てや塗装、縫製など数多くの工程がある。その仕上げとして、チェアやソファにレザー・布などの生地を張る加工作業が「椅子張り」だ。単に見栄えの良し悪しだけでなく、座り心地をも左右するため、自然な曲線で張り上げるには熟練の職人技が必要とされる。

その「椅子張り」に真摯に向き合い続けてきた福岡の家具メーカー、リッツウェルのものづくりを体験できるイベント『椅子張り職人と手しごと展』が、『デザイナート・トーキョー 2020』の一環として2020年10月24日(土)から開催される。

1992年に福岡で創業したリッツウェルは、創業時から世界を見据え、『ミラノサローネ』出展など積極的に海外活動を展開してきた。その上質なデザインと日本ならではの繊細な手仕事により生み出される製品は、iFデザイン賞、red dot賞など世界的なデザインアワードを多数受賞。また、国内外のラグジュアリーホテルやリゾートなどに多くの納品実績をもつ。

本イベントでは、リッツウェルの福岡・糸島シーサイドファクトリーより2名の職人が来京し、東京ショールームで椅子の張り加工を実演。イージーチェア「リヴァージュ」とベンチ「MTベンチ」を実際に製作する過程を見学でき、手仕事によって生まれる家具の魅力を体感できる。

プロダクトの背景を知ること、長く愛せる一品を選び大切に使い続けること、それはサステナブルの観点にもつながる。職人の手で、椅子に魂が吹き込まれる姿を目にすれば、家具への愛着がきっと倍増するはずだ。

イベントでは、実際に製作された椅子を購入できる。目の前で職人が1台1台張り上げる椅子は、まさに貴重な1点モノだ。写真の「リヴァージュ」と下記の「MTベンチ」、合わせて8台。申し込み順での販売となる。「リヴァージュ」¥315,700(税込)。レザー全2色。

厚革を使用したベンチタイプの椅子の張り加工実演も見ものだ。「MTベンチ」¥350,900(税込)。レザー全4色。

『椅子張り職人と手しごと展』

実演日時:2020年10月24日(土)、25日(日)、31日(土)、11月1日(日)、
各日11:00〜12:00、13:00〜15:00、15:30〜17:00
開催場所:リッツウェル東京ショールーム
東京都港区南青山2-13-7 マトリス3F
入場料:無料
https://ritzwell.com