ふとん内の温度をコントロールして、快適な寝心地を。
文:神原サリー

ふとん内の温度をコントロールして、快適な寝心地を。

ユニットを伝ってふとん全体に空気を巡らすことで、最適な温度に保つ。高さは約52㎝。¥138,240(税込)

ベッドに横になればすとんと眠りに落ち、爽快な目覚めを迎える――。誰もが憧れる理想的な眠りを実現させる新発想の家電が、レイコップから発売された。ふとん掃除機で一世を風靡した同社の次なる一手は、寝床内の温度を快眠に最適な約33℃にいつもキープし、寝入りばなにはマイナス1℃、起床時にはプラス1℃になるように温度調整することで、眠りをサポートするという「ふとんコンディショナー」だ。

同社は繊維会社の東洋紡とタッグを組んで、通気性に優れた三層構造体「エアスペーサー」採用のマットレスを開発。高反発設計にし、スムーズな寝返りと体圧分散で睡眠中の負荷を減らす仕様だ。胸部付近の温度を測るセンサーを内蔵し、風量やヒーターの発熱を調節して足元から風を送り込む仕組みになっている。このマットレスは水洗いでき、除菌・ダニ対策のための「寝具ケア」モードも備えるので清潔性にも優れる。本体はベッドの足元だけでなく、両サイドにも設置可能。清潔感のあるホワイトで吸気口のパイピングが美しく、仰々しくないのがいい。

さて、実際に使ってみることにしよう。起床時間を設定し、運転をスタートさせる。最初の分間は温風が吹き出てくるので、この間はふとんに入らず待機し、終了の合図が出たらふとんへ。寒さを感じる季節ではないが、ちょうどよく温まっており、すみやかに眠りにつける。こうして就寝時に体温を上げておくことで一気に〝深部体温〞が下がり眠りが深くなるのだ。

就寝中も適度な送風によってサラッとした寝心地を保ち、朝方の気温の変化で肌寒さを感じることもなく、常に快適に眠れる。運転音も比較的静か(40デシベル程度)で、足元から発しているため気にならない。ただし、高反発のエアスペーサーの寝心地には慣れが必要なようだ。

冬に温かなふとんで眠れる心地よさは想像できても、暑い季節に果たして本当に快適に眠れるのかは半信半疑だったが、風が通るマットレスに寝るのは思いのほか涼しく気持ちがいいものだ。また、3段階に調節できる送風モードがあり、温度設定もプラスマイナス3℃の変更ができるので、好みに応じてより快適な眠りへとチューニングできる。

ただし、基本的に17~27℃の室温で使うのが望ましいとされているため、熱帯夜にエアコンなしで眠るのは難しい。就寝後1~2時間後にオフになるようにタイマー設定するなど、上手に活用したい。

日本は、睡眠時間の短さが世界2位という記録を更新し続けている。だがこれがあれば、たとえ短くとも上質な眠りが手に入るに違いない。昼間の活動のパフォーマンスを向上させるためにも、導入を検討する価値はあるだろう。

ふとん内の温度をコントロールして、快適な寝心地を。

専用のマットレスが付属する。空気を送り込む口は、ふとんの下側のほか、左右にも付けられる仕様に。

神原サリー
新聞社勤務を経て「家電コンシェルジュ」として独立。豊富な知識と積極的な取材をもとに、独自の視点で情報を発信している。2016年、広尾に「家電アトリエ」を開設。テレビ出演や執筆、コンサルティングなど幅広く活躍中。

レイコップ TEL:0120-363612

※Pen本誌より転載
ふとん内の温度をコントロールして、快適な寝心地を。