デザイナーと描く、いまを語る腕時計。

  • 写真:岡村昌宏(CROSSOVER)
  • 文:まつあみ靖

Share:

vol.03
マテリアルを追求した、美しさの神髄。

デザイナーと描く、いまを語る腕時計。

写真:岡村昌宏(CROSSOVER) 文:まつあみ靖

ハイテクセラミックスの技術開発のみならず、ウォッチデザインにおいても、ラドーは先進的なスタンスを見せている。権威あるドイツのレッド・ドット・デザイン・アワードをはじめ、35以上もの国際的デザイン賞を獲得していることや、プロダクトデザイン界の巨匠ジャスパー・モリソンとのコラボレーション、また時計業界以外で活躍しているデザイナーを起用したコレクションも、ラドーのデザインに対する意識の高さを示している。
今回発表された『ラドー トゥルーシンライン スタッズ リミテッド エディション』と同『ジェム リミテッドエディション』も、この流れに位置付けることができる。前者は、イギリスの家具デザイナー、ベサン・グレイが手がけたもの。文字盤は12 ピースのウッドパーツによるマルケトリ(象嵌)で、ブラックレザーのストラップにはゴールドカラーのスタッズがあしらわれた。後者は、照明やキッチン用品などで知られるスペイン人デザイナー、インマ・ベルムデスによるもの。ファセット加工を施したサファイアクリスタルと、磁器のオブジェを思わせる浮き彫り加工の文字盤とを組み合わせた。
デザインに関する編集や執筆で活躍する猪飼尚司さんは「グレイのデザインは、通常ならハードなイメージになりかねない黒と金のスタッズの組み合わせを、心穏やかなリズムにまとめています。ベルムデスのモデルは、素材に正面から向き合い、奇を衒わず、新鮮な発見の喜びを感じさせてくれますね」と、2つのモデルを評価する。
「かたちの統制を取るのではなく、使う人の心のバランスを整え、これまで培ってきたものをちょっとだけ前に進める感覚を促すのがデザインの役割。こうしたデザイナーを起用したラドーも、伝統だけに頼らず、“いま”を語っているのを感じます」

  • トゥルー シンライン ジェム リミテッド エディション

    クォーツ、ホワイトハイテクセラミックスケース&ブレスレット&クラウン、ファセット加工サファイアクリスタル風防、ケース径38.0㎜、3気圧防水。¥253,800(税込)

  • トゥルー シンライン スタッズ リミテッド エディション

    クォーツ、ブラックハイテクセラミックスケース、PVD加工ステンレススチールスタッズ付きブラックレザーブレスレット、ケース径39.0㎜、3気圧防水。¥216,000(税込)