永遠に変わらない、“漆黒”の世界。

  • 写真:岡村昌宏(CROSSOVER)
  • 文:まつあみ靖

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vol.01
マテリアルを追求した、美しさの神髄。

永遠に変わらない、“漆黒”の世界。

写真:岡村昌宏(CROSSOVER) 文:まつあみ靖

実現が困難である故に、人は”永遠”という言葉に憧れを抱く。傷つくことなく“永遠に”美しいままで――。そんな難題を克服する腕時計に、ハイテクセラミックスを用いて挑戦を続けてきたパイオニアが、ラドーである。

ハイテクセラミックスは耐傷性に優れるだけでなく、軽量で低アレルギー性、金属のような冷たさがなく快適に装着できるなど、多くのメリットをもつ。しかし高硬度ゆえに加工が難しく、形状や発色などさまざまな問題をクリアする必要があった。そんなハイテクセラミックスに、ラドーは1980年代からいち早く取り組んできた。

「先駆者ゆえの技術的アドバンテージはさすが」と指摘するのは時計製造技術に詳しいライターの髙木教雄氏。

「黒、白はもとより、ハイテクセラミックスで多彩なカラーを実現し、発色も美しい。ポリッシュ仕上げもマット仕上げも自由自在。他ブランドがプレスによる成型後に焼結してケース製造するのに対し、ラドーは独自の〝インジェクション〞という射出成型技術を開発して、フォルムの自由度を高めている。また一体成型のモノブロックケースを開発し、かつて必要だったSSやチタンなどのインナーケースを排し、ハイテクセラミックス本来の軽量性を引き出した。製造プロセスも簡素化でき、コストダウンも実現している」

そんなラドーの”原点”というべきが、ブラックハイテクセラミックスのモデルである。ここに紹介する2モデルともに、ポリッシュ仕上げしたモノブロックケースを採用。片やオープンダイヤルから、80時間のパワーリザーブを誇るムーブメントがその姿をスタイリッシュに覗かせ、片やパワーリザーブインジケーターを採用し、実用的かつクールな印象。技術力に裏付けられた機能美は、身に着けてこそ初めて実感できるに違いない。

  • ダイヤマスター パワーリザーブ

    自動巻き、ブラックハイテクセラミックスケース、ブラックレザーストラップ、ケース径43.0㎜、パワーリザーブ約80時間、10気圧防水。¥232,200(税込)

  • トゥルー オープンハート

    自動巻き、ブラックハイテクセラミックスケース&ブレスレット、ケース径40.0㎜、パワーリザーブ約80時間、5気圧防水。¥237,600(税込)