芸術的な匠の技法が、最新テクノロジーと邂逅

    Share:

    CASIOカシオ

    芸術的な匠の技法が、最新テクノロジーと邂逅

    岩崎 寛(STASH)・写真
    photographs by Hiroshi Iwasaki
    並木浩一・文
    text by Koichi Namiki

    カシオが開発した技術が、世界を驚嘆させている。スマートフォンを介して腕時計の時刻修正を行う卓抜な機構を従来の標準電波・GPS電波に付加した独自の「Connectedエンジン3 -way」を3月1日に発表。この次世代の電波時計は5月19日発売と告知されたが、その日を待たずしてバーゼルワールドでは、限定モデルが発表された。特別なG-SHOCK「MRG -G2000HT」は、全世界で500本だけの限定となる。

    記念モデルの制作には昨年に続いて京都の鎚起(ついき)師、三代目淺野(平安)美芳氏が協力した。鎚起は金属板を打ち延ばす鍛金の技法であり、薄さと堅牢さを要求される甲冑造りなどに活かされる。実用性と同時に芸術性をも極める匠の技が、ベゼルと三連ブレスの中ゴマに施されている。特に今回のモデルは、〝霞鎚目〞と名付けられた、線状の目が霞のように漂う美しい細工が見ものである。

    最高の装いを得る最新のG-SHOCKには、それだけの価値がある。iOSとAndroidの双方に対応した専用アプリを用意し、1日4回Bluetoothで自動接続し時刻を修正する。タイムゾーンを越えた際は、ワンプッシュで現地時刻を表示。サマータイムの切替も逃さない。スマートフォンを従属させることで能力を最大限に高める、真にスマートな腕時計である。もちろん従来通り日本(2局)、アメリカ、イギリス、ドイツ、中国の標準電波を捉え、GPS衛星からの電波も受信する。

    バンドやボタンに採用された色は刀装具のような朧銀、ベゼルと裏蓋のブルーDLCは藍と、日本の伝統色が重厚な存在感を引き立てる。世界をリードする先進のテクノロジーが、京都の工房で仕上げられる装いに身を包む。秀でた武士は、身なりも立ち居も美しいものだ。本当にクールなジャパンは、そういう時計の姿をしている。

    MRG-G2000HT

    ソーラー、 Connectedエンジン(標準電波・GPS電波・スマートフォン経由のタイムサーバー接続)、チタン、ケース径54.7㎜、ベゼルとバンドの中ゴマに霞鎚目、ベゼルと裏蓋にブルーDLC、200m防水、世界限定500本。¥864,000
    カシオ計算機 お客様相談室 TEL:03-5534-4869