アナログな文字盤に、最先端の技術を集結。
TRUME トゥルーム

アナログな文字盤に、最先端の技術を集結。

岩崎 寛(STASH)・写真
photographs by Hiroshi Iwasaki
並木浩一・文
text by Koichi Namiki

「TRUME(トゥルーム)」の登場は、国産腕時計のビッグニュースだ。7月の発表以来、このジャパンメイドの新作への注目が途切れない。それも当然で「TRUME」は、日本の腕時計界を支えてきた最後の巨人が、満を持して問うブランド。その“エプソン”に、腕時計の現在にとことんコミットする意志が見える。

言うまでもなくエプソンは、プリンターやプロジェクターなどで圧倒的な知名度を誇る、電子機器の名門だ。一方、企業名は「セイコーエプソン」であり、遡れば「諏訪精工舎」を名乗っていた。巨大ウォッチブランドであるセイコーの2大生産拠点であった「亀戸」と「諏訪」のまさに片翼。ヴィンテージ市場で知られる名機「マーベル」も、世界初のクオーツ腕時計「クオーツアストロン35SQ」も、ここから生まれた。ブランドの根幹には、腕時計で磨いた精密工学のDNAがある。

「TRUME」は、そのエプソンのエッセンシャルを、腕時計のカタチに凝縮した珠玉作だ。地上波に頼らずGPS電波のみで現在のタイムゾーンを特定する受信システムは、準天頂衛星システム「みちびき」初号機にも対応する。室内光でも十分に充電可能なライトチャージ機能は、屋内にいることを感知するとGPS受信をストップして省電力制御し、最長で2年の駆動を確保する。本体にはGPSセンサーのほか気圧・高度センサー、方位センサーを搭載。キーホルダーのようなエクスパンデッドセンサーでは、温度・紫外線・歩数・消費カロリーを計測する。
この先進的な機能の一方、アナログにこだわった。3本の針で表示する高度計は、たとえば高速エレベーターでは実にリズミカルな動きを見せる。方位は永久磁石の方位計のように、長尺の赤い針がぶるん、と揺れて北を指す“演出”まで加えた。精緻で上質、真面目ながら遊びがあり、姿も凛々しい。いま世界に見せたい、とびきりの“メイド・イン・ジャパン”である。

TR-MB8002

クオーツ、純チタン+セラミックベゼル、ケース径48.6㎜(横幅)、ケース厚15.5㎜、ライトチャージ、 GPS電波、気圧・高度センサー、方位センサー、最長駆動時間約2年、エクスパンデッドセンサー付属、10 気圧防水。¥302,400(税込)
エプソン TEL:050-3155-8285
アナログな文字盤に、最先端の技術を集結。