世界いち高級といわれるSUV「ベントレー・ベンテイガ」、果たしてその乗り心地とは?

  • 文:Pen編集部

Share:

カナリア諸島にある岩山の名と、ロシア語で針葉樹を意味する言葉「タイガ」との組み合わせから名付けられたベンテイガ。スタイルは、正面から見ると一番インパクトがあります。どんなSUVより押し出しのあるデザインに感じます。

リアスタイルは一転してオーセンティックです。クロームラインの使い方などはクラシカルで安定感があります。

近年の自動車メーカーが見つけた新しい金脈。それこそがSUV(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)というジャンルです。他のどのクルマより速く走れるわけでもなく、世界を救うエコカーでもないSUVが、これだけ世界的な流行になった理由はなんなのでしょうか? 世界でいちばん高級といわれるSUV「ベントレー・ベンテイガ」に乗りながら、そんなことを考えました。

SUVには、厳密な定義がありません。「車高が高く」「たくさんの荷物が載り」「4WDモデルが選べる」といった共通項があるくらいです。SUVが意識され始めたのは、1990年代の中盤に発売されたトヨタRAV4あたりにさかのぼります。その後、メルセデスのMクラスやBMWX5などのプレミアムブランドが参入し、ポルシェ・カイエンによってスポーツカーに近い性能を誇るようになりました。そんな高級路線の延長線上に誕生したのが、2015年に発表されたベンテイガです。

上質なレーザーをふんだんに使用し、クロームをアクセントにする高級なインテリア。安全装備も最新のものが搭載されています。

6リットルW12型ツインターボで600馬力という強力なエンジンを採用しています。最近、少しカジュアルなV8モデルも追加されました。

17年には日本にも上陸。この車を発表してから3年連続で、ベントレー全体の販売台数が全世界で1万台を超えているほど、ベンテイガはブランドを盛り上げました。最近ではW12エンジンモデルに加えてV8モデルも用意され、瞬く間にベントレーを代表するモデルになった感じです。

今回の試乗は、平日に都内から八王子に向かう1時間強の短いドライブ。乗り込んですぐに感じるのは、ベントレーならではの別世界へといざなうグジュアリー感と、その大きさです。高級車のなかでも最高級の部類に入るだけあって、細部までぬかりのない印象ですが、都内ではそのサイズを少し持て余します。しかし高速道路に乗ってしまえば、さすがに水を得た魚のように走ります。大きな車内は静かでゆったりとした乗り心地で、余裕のある強力なエンジンはどこまでも加速していきそうな感じがします。都内から八王子までは、その高級さに対する驚きと興奮であっという間でした。相模湖近くのワインディングでは、強力なエンジンと車体の大きさから、フルに性能を試すことはできませんでしたが、そんなエンジンや車体に凄みを感じたのは確かです。スポーティさより、優雅に余裕を楽しむ。これこそがこのクルマの本質なのでしょう。

八王子から都内までの復路は、別車種のフライングスパーに試乗。アダプティブクルーズコントロールなどが装備されない少し古いモデルですが、これはこれでベントレーらしく、一生モノともいえるまろやかでオーセンティックな乗り心地。このクルマに比べると、ベンテイガは車高の高さやひょこひょこした乗り心地が「若々しさ」「粗さ」に感じてしまうほどでした。

でも、こんな些細なことは、あっという間に解決してしまうのでしょう。W.O.ベントレーが自らの名を冠したクルマを発売してから来年で100年。その精神は絶えず磨かれてきました。世界初の超高級SUVであるベンテイガも、現代のベントレーボーイズ&レディーたちによって日々磨き込まれ、進化していくはずだからです。

ベントレーは来年、発売から100周年を迎えます。左右の羽の数が対称でないことをご存じでしたか?

ベントレー・ベンテイガ
●エンジン:6.0リッター W12 ツインターボ
●最高出力:608PS/6000rpm
●最大トルク:900 Nm / 1350 -4500rpm
●車両価格:¥27,390,000~

ベントレーコール TEL:0120-97-7797
www.bentleymotors.jp