ガラパゴス化するミニバンを捨て、SUVに未来を託す「マツダ」の決断とは?

ガラパゴス化するミニバンを捨て、SUVに未来を託す「マツダ」の決断とは?

文:Pen編集部

ガラパゴス化するミニバンを捨て、SUVに未来を託す「マツダ」の決断とは?

写真の「CX-8」は日本で初となる最大7人乗りのSUV。同様のモデルはレクサス、スバルなど他メーカーからも発売される予定です。

最近、クリエイターの方々と話をしていると「マツダ」が話題になります。「魂動(こどう)」というデザインテーマでイメージを刷新して約6年。マツダデザインが感度の高い人々にも浸透してきたようです。「CX-5」も2代目になり、その延長で誕生したのが「CX-8」です。「最大5人乗りのCX-5を大きくして最大7人乗りにしたんでしょ」って思っている人は、半分正解。実はこのクルマ、マツダならではの美意識と事情から生まれた、深い背景のあるモデルなのです。

ガラパゴス化するミニバンを捨て、SUVに未来を託す「マツダ」の決断とは?

お薦めの6人乗り仕様。2列目がキャプテンシートとなり、ウォークスルーで3列目へ。2列目のシートを倒さなくてはいけない7人乗りは、頻繁に3列目にアクセスするのは面倒かもしれません。

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運転姿勢からレイアウトし直す、マツダイズムが活かされたコクピット。アダプティブクルーズコントロール、自動ブレーキなど先進機能も搭載。

SUVの記事でありながら、ミニバンの話をして申し訳ないのですが、日本で販売されているスライドドアを採用したミニバンは、世界市場においてはガラパゴス化の一途をたどっているのです。ミニバン発祥の地でもある北米市場でもクライスラーやトヨタ、ホンダが細々と販売しているくらいで、大人数が乗れる乗用車はSUVやトラックへシフトしています。欧州ではメルセデス・ベンツ Vクラスやフォルクスワーゲン・シャランなどがありますが、決して人気のモデルとは言えません。ところが日本では、セレナやノア、ステップWGN、そしてエルグランドにアルファード、ベルファイアと、いまだにミニバン天国なのです。

リーマンショック直後に経営危機に見舞われたマツダは、現在も集中と選択によって、よりよいクルマづくりを敢行しています。MPVやプレマシーという人気だった3列シートのミニバンの生産を終了させるのは、国内販売にとってはマイナスです。それを補うのがCX-8なのです。

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ボディはCX-5に比べて約400mm延長されました。動力性能は落ちますが、落ち着いた走りに。なぜかキャプテンシート仕様の6人乗りのほうが、操縦性もいいのです。

ガラパゴス化するミニバンを捨て、SUVに未来を託す「マツダ」の決断とは?

年々改良される「SKY ACTIV-D」は静粛性が進み、より高性能になっています。低い圧縮比で確立した独自の技術は、いまもアドバンテージを誇ります。

CX-8のディメンションは全長4900×全幅1840×全高1730mm。CX-5よりも400mm近く全長が長いSUVです。内外装のデザインや室内の仕立て、装備、機能など、基本的な部分は他のCX-5と大きくは変わりません。では、なにがいちばんのセールスポイントかというと、最大で7名乗ることができる3列シートを採用したことにあります。

マツダは世界中の名車を研究し、正しい運転姿勢から自然な運転感覚、運転の気持ちよさまでを追求しています。CX-8もCX-5譲りの走りながら、重量増などにより、加速性能などは低下しています。そのぶん、大型クルーザーに乗っているようなリラックス感や、長距離移動の快適性などは向上した感じです。試乗していちばん感じたのは7人乗りのモデルより、キャプテンシートを採用した6人乗りモデルのほうが、乗り心地も使い勝手もよかったこと。どうしても7人乗り、という人以外は6人乗りを選んだほうがいいと思います。

3列目に座ってみると、やや窮屈さを感じるものの、中距離までの移動なら許容範囲かなと思います。「ミニバンを捨て、SUVへ」。そんなマツダの潔い決断が成功するのか? 今後の販売動向が気になります。

マツダ  CX-8
●エンジン:2.2ℓ 水冷直列4気筒DOHC16バルブ直噴ディーゼルターボ
●最高出力:190ps
●最大トルク:450Nm
●トランスミッション:6速オートマチック
●車両価格:¥3,196,800から
問い合わせ先/マツダコールセンター TEL:0120-386-919
www.mazda.co.jp

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