フォルクスワーゲン「ティグアン」はディーゼルエンジンを搭載して、“ホンモノ感”がさらに強まりました。

  • 文:サトータケシ
  • 写真:Pen編集部

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フォルクスワーゲン「ティグアンTDI」は、本格的なフルタイム4WDシステム「4MOTION」を備えるので、これくらいの悪路ならなんの不安もありません。

空前の大ブームを受けて、世界中のメーカーが次々にSUVを発表しています。なかでも“列強”が集うのがドイツ。そのドイツ市場で、コンパクトSUVの売上げナンバーワンに輝くのがフォルクスワーゲン・ティグアンです(2017年度Detaforce調べ)。

このティグアンのラインナップに、クリーンディーゼルエンジンと4WDを組み合わせたモデルが加わりました。人や荷物をたくさん乗せたり、山深い場所に行く機会もあるSUVには、力強く走るディーゼルエンジンが向いているとされています。では、ティグアンのディーゼルエンジンと4WDの組み合わせはどうだったでしょうか。

テストドライブを開始して真っ先に気づくのは、発進加速がスムーズで力強いということです。アクセルペダルにほんの少し力を入れただけで、すーっと進んでいくのです。これなら、信号によるストップ&ゴーが連続する都内で乗ってもストレスはありません。

しかも、窓を閉めて運転しているかぎりは、ディーゼルらしい「ンガー」というノイズや振動はまったく感じられません。車外ではそれらしい騒音を感じますが、乗員は極めて静かに、かつ滑らかに移動しているという印象を受けます。また、力があるので高速走行でもそれほどエンジンを回す必要がなく、これが省燃費と静かさに寄与します。

ディーゼルというと、燃費や軽油の価格に由来する経済性で語られることが多いと思います。けれどもティグアンのディーゼルの走行感覚は、プレミアムという言葉が頭に浮かぶものでした。

インテリアはクリーンで、あるべき場所にスイッチ類があります。いかにもフォルクスワーゲンらしい、機能的なデザインです。

悪路での走行性能、安全性など、全方位で死角のないSUV

クリーンディーゼルエンジンのJC08モード燃費は17.2km/ℓ。走りっぷりの良さと燃費性能が見事にバランスしています。

このダイヤルで4WDシステムのモードを切り替えることができます。

この状態でも広々としていますが、後席を倒すと1655ℓという大容量の荷室となります。

高速道路、山道、ちょっとした未舗装路など、さまざまな道路で試して、おもしろいと感じたことがあります。それは凸凹道や未舗装路など、コンディションが悪くなればなるほどティグアンの乗り心地が良好に感じられるということです。

たとえば大きな轍を乗り越える時に、ティグアンのサスペンションは柔軟に伸びたり縮んだりして、何事もなかったかのように通過するのです。そして悪路を突破した後は、すぐに元の姿勢に戻って涼しい顔で走り続けます。

このサスペンションの動きから察するに、ティグアンはかなり本格的なオフロード性能を備えているはずです。また、フォルクスワーゲンは自社の4WDシステムを「4MOTION」と呼びますが、室内のダイヤルで「オンロード」「スノー」「オフロード」「オフロードカスタム」を瞬時に切り替えることができます。スキー場に着いたら駐車場の手前が新雪で覆われていた、あるいはサーフィンに出かけて砂浜の端に停めることになった、そんな時にこのダイヤルが活躍するのです。

使い勝手を確認すると、荷室や後席の広さも充分以上。インテリアも機能的で、渋滞時に先行車両に追従するシステムなど運転支援装置も万全だからロングドライブも苦になりません。

つまりこのクルマは、悪条件を苦にしないで、たくさん乗せて遠くまで行くのに最適な本格派SUVなのです。アクティブな趣味をお持ちの方にはぴったりですし、仮にそうでなくても、何か新しいスポーツにチャレンジしたくなるのではないでしょうか。そういう意味で、ちょっと生活を変えてくれそうなポテンシャルを秘めているクルマでした。

フォルクスワーゲン・ティグアン TDI 4MOTION R-Line
●エンジン:コモンレール式1968ccディーゼル直列4気筒DOHCターボ
●最高出力:150PS/3500-4000rpm
●最大トルク:340Nm/1750-3000rpm
●サイズ(全長×全幅×全高):4500×1860×1675㎜
●車両価格:¥5,240,000(税込)

●フォルクスワーゲンお客様相談室 TEL:0120-993-199
www.volkswagen.co.jp