ボルボの良心的なワゴン「V60」が日本に上陸! ダイナミックな“二枚目”の登場です。

  • 文:サトータケシ
  • 写真:Pen編集部

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日本に上陸したボルボ「V60」の正面。こう見えて横幅は1850mm。日本の道路事情にもバッチリです。

新型ステーションワゴン、ボルボ「V60」が2018年9月に日本上陸。流行りのSUVを見慣れた目には新鮮に映りました。たとえて言うなら、ワイルド系の俳優軍団に、正統的な二枚目俳優が現れたという感じです。きりりと引き締まった凛々しいスタイリングを見て、「ワゴンもいいかも」と思われる方がいるかもしれません。 

乗り込んでインテリアを見回すと、シンプルでありながらどこか温かみを感じさせる、北欧デザインらしい魅力を堪能することができます。日本だけでなく世界的に見てもボルボの販売は好調に推移していますが、その理由のひとつに、優れたデザインがあるのは間違いありません。ただ美しいだけでなく、レザーの手触りやスイッチ類のクリック感など、身体と直に触れる部分のフィーリングがいいことも特徴です。

まず試乗したのは、2リッターの直列4気筒ターボエンジンを搭載する「T5」という仕様の1台。今後、プラグインハイブリッド仕様などもラインアップに加わる予定です。

走り出して真っ先に感じるのは軽快感。兄貴分にあたる「V90」はしっとりとした乗り心地が持ち味でしたが、V60はもう少しスポーティで、良質なスニーカーを履いた時のように軽やかに歩を進めることができます。

V90が「エレガントと洗練」をテーマにしているのに対して、V60は「ダイナミック」がテーマになっているとのこと。ちなみに弟分にあたるV40は「若さ」がテーマで、このようにブランド内で棲み分けがきちんとできていることも、販売が好調であることの理由でしょう。

全長はのびやか。歴代ボルボ・ワゴンとのカット。こんなカントリーライフを送ってみたいものです。

頭に浮かぶのは、「良心的」という3文字。

ホイールベースの延長により、後部座席も前後に広くなりました。複雑なプレスラインがスタイリッシュなデザインを表現。

ボルボV60を試乗し頭に浮かぶのは、「良心的」という3文字です。たとえば、従来型のV60に比べて全長が125mm長くなり、後席の居住空間や荷室のスペースが明らかに広くなりました。その一方で、幅は15mm狭くなって1850mmに。日本で使うにあたっては、駐車スペースや狭い道でのすれ違いを考えると、このくらいの幅が扱いやすいのです。 

「ボルボ=安心、安全」というイメージですが、V60もその期待を裏切りません。衝突を回避したり被害を低減する自動ブレーキ、先行する車両に追従する機能、車線を維持する機能など、16種類以上の安全装置と運転支援装置を備える「IntelliSafe(インテリセーフ)」というシステムを標準装備。

V60でインテリセーフはさらなる進化を果たし、非常に危険な正面衝突時でも被害を軽減する機能も加わっています。ボルボはどのようなグレードであっても安全装備には差をつけないことをポリシーとしていますが、そのあたりも、V60が良心的だと感じる理由です。 

後席と荷室に余裕があり、しかも快適で運転支援装置が充実したV60は、荷物をたくさん積んで遠くを目指すような使い方にぴったりだと感じました。これなら、ロングドライブでも疲労は最低限に抑えられます。ボルボ自慢のサウンドシステム(「Bowers & Wilkins」または「harman/kardon」)が奏でる音楽も素晴らしくクリアで、ドライブの楽しみが増します。

遠くへ出かけたくなるボルボV60ですが、走行距離が伸びても大丈夫。輸入車で唯一の5年保証を採用しているのです。安全装備や保証も考えると、「モメンタム」で499万円から(Momentum)という価格はお値打ちだと感じます。このあたりも良心的という言葉が浮かんだ理由です。

ステーションワゴンならではの大収納も魅力。荷室にアクセスしやすいのもポイントが高いです。

大画面の液晶スクリーンにシンプルなモノトーンの配色。最新ボルボならではのインテリアは大きな魅力です。

ボルボV60 T5 Inscription
●エンジン:1968cc ガソリン直列4気筒DOHCターボ
●最高出力:254PS/5500rpm
●サイズ(全長×全幅×全高):4760×1850×1435㎜
●車両価格:¥5,990,000(税込)~

●ボルボお客様相談室 TEL:0120-922-662
www.volvocars.com/jp