待望の「GTI」で実感する、フォルクスワーゲン「ポロ」に漂う余裕とは。

  • 写真&文:Pen編集部

Share:

2018年6月に発売となった「Polo GTI」。パッと見はむしろゴルフのような佇まいです。ワイドになり、ワンランク上のクルマのスタイルになりました。

2018年3月に6代目フォルクスワーゲン「ポロ」がデビューしてからわずか4カ月、2リッターエンジンを搭載する「Polo GTI」が早くも日本デビューを果たしました。当初は2018年末の登場と噂されていましたから、インポーターは相当の努力をしたと考えられます。兄弟車の「up! GTI」「Golf GTI Dynamic」も同時にデビューし、御殿場で「up! GTI」とともに試乗会が開催されました。フォルクスワーゲンがGTIというプレミアムモデルに注力していることがよくわかります。

3月に試乗したポロは、1リッター3気筒95psエンジンというベーシックなグレードだったため、当然ながら峠の登りなどでは非力さが気になりました。小型車ながらシャシー性能が優れているので、出力の大きいエンジンが期待されたのです。そして登場した「GTI」は、2リッター4気筒直噴ターボ200psエンジンを搭載。ベースモデルの2倍以上の出力ですから、非力さは完全に払拭されていました。もともと剛性感のあるしっかりしたボディにこのエンジンが組み合わさることによって、ベースモデルにはない上質感と落ち着きを実現しています。特に印象的だったのは高速道路での安定性。ドイツの高性能車のようにゴリゴリにパワフルという感じではなく、さりげなく加速し、巡航してもきわめて安定しているのです。高出力のエンジンによって全体的な身のこなしは軽くなり、全面液晶になった「Active Info Display」の装備によって上質感も増しています。まさに、広告でうたっている通り「足の速い優等生」です。

シンプルなリアスタイルは、ベーシックハッチバックならでは。赤い「GTI」のバッジが光ります。

インストゥルメントパネル全面にナビ画面を表示することもできるActive Info Display。もちろん、速度計とタコメーター、燃費計など従来のクルマらしい表示にすることもできます。

GTIといえば、タータンチェックのシートパターンでしょう。もはや伝統ともいえるドイツ車らしいデザインです。

もはや完璧とも思えるクルマですが、試乗後に「GTIは帯に長し、たすきに短しなのでは?」と天邪鬼な気持ちが芽生え、思わず2台のクルマを空想してしまいました。1台目は、GTIよりさらに過激なスポーツモデル。5代目ポロでヨーロッパ向けに発売された「Polo R」のようなモデルが登場したら、相当痛快な乗り味と速さになるはずです。先代はラリー出場を前提としたモデルでしたが、そうでなくても売れそうです。そしてもう1台は、ベースの1リッター3気筒のベースエンジンと、2リッターGTIエンジンの中間にあたるエンジンを搭載したモデル。すでにヨーロッパでは1.5リッター4気筒TSIの「EVO」というエンジンを搭載するモデルが販売されていますが、このエンジンを積んだモデルは日本で使うとしても、いちばんバランスがいいかもしれません。

いずれにしても6代目ポロの魅力は、フォルクスワーゲンの新世代シャシーがもたらすクラスナンバーワンの性能。その「余裕のある懐」を体感すると、空想はどんどん広がっていくのです。

フォルクスワーゲン・ポロ GTI
●エンジン:1984cc ガソリン直列4気筒DOHCターボ
●最高出力:200PS/4400~6000rpm
●サイズ(全長×全幅×全高):4075×1750×1440㎜
●車両価格:¥3,448,000~

●フォルクスワーゲン TEL:0120-993-199
www.volkswagen.co.jp