SUVを4ドアスポーツカーと言い切る、ポルシェがつくった本気の走りとは。

  • 文:Pen編集部

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諸橋近代美術館に集結した4台のマカン。どのモデルもワインディングではスポーツカー顔負けの走り。左から:ベースモデルより90馬力アップした6気筒の「マカンS」805万円、スポーティさを強調した「マカンGTS」939万円、マカン最強の俊足モデル「マカン ターボ パフォーマンス」1160万円、最もベーシックな「マカン」699万円。どのモデルもワインディングではスポーツカー顔負けの走り。※価格はすべて税込み、オプション込み。

ポルシェといえばドイツを代表するスポーツカーのメーカーです。そのイメージからすると、ボクスター、ケイマン、そして王道の「911シリーズ」がメイン車種だと思われるでしょう。ところが世界規模のマーケットでは、SUVのカイエンやマカン、そして4ドアモデルのパナメーラがメイン車種になっているのです。

9月末に裏磐梯の一般道で行われた「ポルシェ4ドアスポーツカー試乗会」は、一般メディアを対象にしたポルシェのSUVの試乗会。カイエンとマカンが計6台用意されました。ドイツ本国では新型のカイエンが発表されたばかりで、この試乗会に用意されたカイエンは現行最後期モデル。円熟の極みともいえるモデルでもあります。そしてマカンは、2014年に発売されて現役バリバリのSUV。

そんな両極の2モデルを裏磐梯で走らせてみると、改めて気づかされることがあります。両車ともに、その走りの自然さたるや、驚きのレベルなのです。初代BMW X5や初代ポルシェ・カイエンから始まった乗用車のようにスポーティな操舵性は、さらに進化しています。ハンドルを握っても、重さやダルさは感じられません。最上級クラスのカイエンの運転席に収まると、「細い道ではさすがに少し大きいかな」と思うものの、操舵性は自然で、大きな乗用車に乗っている感じです。そしてマカンに乗り換えると、さらに驚きの走りを体感できます。桧原湖畔の道は気持ちいいワインディングが続く、スポーツカーにはもってこいの道路。そこでスポーツカー顔負けの走りを見せてくれるのがマカンなのです。コーナリング中にハンドルを操作すれば、ミリ単位でノーズの位置が変わる感覚。そしてアクセルペダルをじわりと踏み込めば、即座にアンダーからオーバーにステア特性を変えるリニア感が、運転する人の心をつかみます。

ポルシェ・ジャパン社長、七五三木敏幸さんがこんなエピソードを語ってくれました。「ボクスターをお持ちのお客さんが、SUVが欲しくてマカンを買われました。けれども納車されたマカンに乗ると、思っていた以上にスポーティで走りや乗り心地がボクスターと変わらない。これじゃゆったりと走れるSUVを買った意味がないから、再びディーラーに行って、カイエンに買い直したんです」。これほどまでにスポーツ度が強く、完成度も高い最新SUVをつくるのは、世界広しといえどポルシェだけでしょう。ドイツ本国で発表され、来年には日本上陸予定の新型カイエンは、もしかすると現行モデルを凌駕するスポーティな走り&さらにラグジュアリーなSUVになってくるのかもしれません。

こちらは円熟したカイエンのハイブリッドモデル「カイエン SE ハイブリッド プラチナエディション」1276万3000円。※価格はすべて税込み、オプション込み。

ポルシェのハイブリッドモデルは、黄緑色のロゴで主張する。

●ポルシェ ジャパン TEL:0120-846-911 www.porsche.co.jp