スティーブ・マックイーンが愛した大人の定番、「ホイヤー モナコ」

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    スティーブ・マックイーンが愛した大人の定番、「ホイヤー モナコ」

    文:小暮昌弘(LOST & FOUND) 写真:宇田川 淳 スタイリング:井藤成一
    イラスト:Naoki Shoji

    第4回 「タグ・ホイヤー モナコ」

    50歳という若さでこの世を去って38年が経ったいまでも、スティーブ・マックイーンは私たちにとって、永遠不滅のスタイルアイコンです。まさに、「キング・オブ・クール」。端正な顔立ちとルックスのよさ、映画のなかでスーツからカジュアルまで見事に着こなす彼の姿に誰もが憧れました。そんな彼が愛したワードローブの中から5アイテムを厳選して紹介します。第4回でご紹介するのは、古くからモータースポーツと繋がりが深かったホイヤー社(現在のタグ・ホイヤー)が著名なレース、モナコ・グランプリへのオマージュを込めて命名したモデル「モナコ」です。現在も「モナコ キャリバー11」としてオリジナルに近い形で販売されています。

    「モナコ キャリバー11」。ムーブメントにスイス製タグ・ホイヤーキャリバー11搭載、自動巻き、SS、ケースサイズ縦39×横39mm、パワーリザーブ40時間、100m防水、¥680,400(税込)/タグ・ホイヤー(LVMH ウォッチ・ジュエリージャパン タグ・ホイヤー)

    1971年公開の『栄光のル・マン』は、クルマ好き、レース好きで知られるスティーブ・マックイーンが自らのプロダクションを率いて制作した映画です。セミ・ドキュメンタリータッチの構成で、1970年に行われた世界的な自動車レースのル・マン24時間レースの映像を巧みに取り入れてつくられていますが、臨場感たっぷり。まるで本物の自動車レースを見ているような気分が味わえる映画です。
     マックイーンが演じたのは、ゼッケン20番、ポルシェに乗るドライバーのディレイニー。その腕に着けられたのが、「ホイヤー モナコ」です。古くからモータースポーツと繋がりが深かったホイヤー社(現在のタグ・ホイヤー)が著名なレース、モナコ・グランプリへのオマージュを込めて命名したモデルです。スクエア型のケースの時計では世界初の防水機能を備え、しかも世界初の自動巻のクロノグラフ。その画期的なフォルムは時計界でも話題を集めましたが、映画でマックイーンが着けたことで知名度は一挙に上がりました。
     1969年の誕生以来、フォルムを変えずに販売、いまでも高い人気を誇りますが、ここで紹介するのはオリジナルに近いモデルです。文字盤はマットブルー、2時、5時、7時、11時のインデックスが横棒デザイン。インデックスと針に赤色が使われたモデルです。映画で着用したときと同じく、リューズが左側に付いたレフトハンド仕様。唯一無二のデザインの時計をマックイーンが所有したことで、さらにその価値を高めたのです。

    裏蓋はシースルーになっていて、定評あるキャリバー11がリズミカルに動く様子が見られます。

    左側に付いたリューズに、かつての「ホイヤー」のマークが刻印されています。

    マットブルーの文字盤にはビンテージのホイヤーのロゴがプリントされています。

    問い合わせ先/LVMH ウォッチ・ジュエリージャパンタグ・ホイヤーTEL:03-5635-7054