Vol.36 チャーナーチェア
Vol.36

チャーナーチェア

チャーナーチェア

文:竹内優介(Laboratoryy) 編集:山田泰巨

1950年代に流行した女性のファッションを思わせる、細くくびれた美しいフォルム。建築家でもあるデザイナー、ノーマン・チャーナーその人の名を冠した「チャーナーチェア」は、アメリカの趣あるミッドセンチュリー期を感じさせる一脚です。同時期を代表するジョージ・ネルソンやチャールズ&レイ・イームズの作品と並ぶエポックな椅子として、現在まで静かながら根強い人気を誇っています。

1950年代に流行したウエストがきゅっと締まったXラインシルエットのスカートから影響を受けたくびれた腰のようなフォルムが魅力。サイズはW673×D546×H800×SH457mm

1958年にデザインされた「チャーナーチェア」は、技術革新で挑戦的なデザインが数々誕生したミッドセンチュリーを代表するアイコニックな名作椅子の一つです。背から座にかけて大きく縊れた有機的造形と緩やかに滑り落ちるリボンのようなアーム。ひときわ目を引く造形は、彼の構造に対する深い知見と技術で実現したプライウッド造形です。製造は、当時ハーマンミラー社で木材の成形合板の下請けを行なっていたプライクラフト社によるもの。58年に発売され、アメリカの大衆雑誌の表紙を飾ったことで瞬く間に人気になりました。

チャーナーは家具だけでなく工業デザインとしての住宅にも取り組みました。彼が考案したプレハブ設計工法は低コストのモジュール式住宅を実現し、多くの人々がアメリカン・ドリームを叶える一助も担っています。チャーナーチェアは70年代から生産が途絶えていたものの、チャーナーの息子たちが99年に設立したチャーナーチェア・カンパニーから復刻されました。チャーナーのものづくり精神は、この名作椅子を通して現在まで受け継がれているのです。

画家のノーマン・ロックウェルが描いた雑誌『サタデーイブニングポスト』の表紙絵「The Artist at Work」に登場したことで、この椅子の人気は高まりました。

特徴的な細いウエストはくびれに向かって徐々に成形合板の厚みが増すことで強度を確保しています。シート周縁部5層、細いウエストは15層で構成されています。(ザ・コンランショップでレザー張りのモデルは取り扱いなし)

Vol.36 チャーナーチェア