空間をアレンジする、遠山正道の提案。

  • 写真:宇田川淳
  • 文:高野智宏

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『LSPX-P1』のデザインに対し、遠山さんは「AV機器らしくないデザインが好ましい」と高く評価します。

壁際に置くことで壁面に22から最大80インチの大画面を映し出し、また、本体を回転させ方向を変えることでテーブルや床面への投影も可能とした、ソニーのポータブル超短焦点プロジェクター「LSPX –P1」。これまでにない新たな映像体験をもたらす投影スタイルと、コンパクトかつ軽量なサイズ感。そして、あらゆる空間に馴染むシンプルなデザインで注目を集める、話題のプロダクトです。
今回、「LSPX –P1」の可能性を見出してもらったのは、株式会社スマイルズの社長である遠山正道さん。お馴染みのスープ専門店「スープストックトーキョー」をはじめ、ネクタイブランドやセレクトリサイクルショップなど多彩な事業を展開する実業家である一方、自らもアート作品を制作するアーティストでもあります。


「パビリオン」の入り口には50mもの回廊が。遠山さんの作品を投影させ、ここにもアートな空間ができあがりました。

遠山さんに案内され伺ったのは、昨年11月、中目黒の高架下にオープンした「LOVEとART」をテーマとしたレストラン「パビリオン」。
「こんなの面白いと思いません?」と、遠山さんが示した場所は、なんとトイレ。しかも、壁面の絵画作品に「L S PX –P1」で炎を投影し、アートを融合させました。
「トイレの空間が刺激的になったし、自分で描いた絵を投影したエントランスも面白い空間になりましたよね(笑)」
プロジェクターでメディア・アート空間をつくるとは、いかにもアーティスト的なアプローチを見せてくれた遠山さん。そして、次なる提案は、仲間や家族が集う場ならではの活用法でした。

1962年、東京生まれ。三菱商事所属中の1999年に、「Soup Stock Tokyo」事業を立ち上げ、翌年、初の社内ベンチャー「スマイルズ」を設立。現在、ネクタイブランド「giraffe」やセレクトリサイクルショップ「PASS THE BATON」「檸檬ホテル」など、多彩な事業を展開しています。

「この店でよく仲間内の会合を開くんです。たとえば建築家らが集まる『建築家ナイト』とかね。その時、彼らが手がけた建築を見せてもらうのですが、スマホの画像を回し見るため、円滑に意見が交わせない。でも、このプロジェクターで壁やテーブルに画像を投影すれば全員同時に見ることができる。会話も活発になり、そこからまた何かが生まれるかもしれませんよね」
投影した映像がクリエイターの感性を刺激し、新たに何かを創出する。なんともワクワクする展開ではないでしょうか。そして遠山さんは、「LSPX –P1」のさらなる可能性を引き出しました。
「アニバーサリーはどうかな。ウチの『100本のスプーン』というファミレスでは、よく子どものお誕生会が開かれる。そういう場でケーキと一緒にこれを運んでもらい、お友だちからのおめでとうメッセージ画像や動画を流してみたらどうだろう。面白いサプライズ演出になると思いますよ」
なるほど、ポータブル性に優れテーブル面への投影も可能な「LSPX –P1」だからこそ可能な、テーブル単位の映像演出ができるというわけです。
「そう。この1台でそのテーブルを、レストラン以上の劇場的な空間に演出できるんじゃないでしょうか」

創作活動にも寛ぎの時間にも、自由な使い方で。

「作品のすべてがインスピレーションをもとにした抽象画。具象画なんて描けませんから」といって笑う遠山さん。指先から生まれるのは、“遠山風”ともいえる、味のある作品です。

続いて案内されたのは、遠山さんがアート作品を制作するアトリエ。「普段、こうした描き方はしないんだけど、せっかくだから」と始めたのは、白い陶器のタイルに「LSPX –P1」で投影した、犬の写真へのトレース。
独自のタッチで犬のトレースをはじめる遠山さん。そして、わずか数分後には可愛らしくもアーティスティックな、〝緑の犬〞の抽象画が完成しました。

スマホで動画を観ながら寝落ちすることも多いという遠山さん。「LSPX-P1」のベッドでの活用法には「これはいい!」と大絶賛。

最後に案内してくれたのは遠山さんのご自宅です。
「実は我が家にはテレビを置いていないんですよ。ここに引っ越してきたときに、テレビが見える空間がどうしても嫌で、テレビが見えないように布を被せていたんですが、ほとんど使わなくなってしまって最近ついにテレビを捨てちゃいました。生活にまったく支障はないのですが、映画を見たいなと思ったときだけちょっと困っていたんです。この1台があれば気軽に見れるのでいいですね」
そんな遠山さんが一番動画を見る瞬間が多いのが就寝前とのこと。
「いま、留学中の娘の部屋でひとりで寝ることが多いんだけど、そのときにスマホでミュージックビデオなどの動画を見ることが多い」とか。
となれば、オンのみならずご自宅で寛ぐオフタイムにも「LSPX –P1」が活躍するシーンはありそうです。
シーンを問わず、先進のプロジェクターのあらゆる可能性を提示してくれた遠山さん。「LSPX –P1」が空間に高い付加価値をもたらすことは、間違いないようです。

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