あの「ライカ」が腕時計に本格参入。シンプル&ミニマルなデザインに、ユニークな機能を搭載!

  • 文:笠木恵司

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ライカウォッチ「ライカ L1」。8~9時位置にあるのはパワーリザーブインジケーター。右側の白いドットは「稼働ステータス表示」で、時間を調整している間は赤に切り替わる。2時位置のプッシュボタンは日付調整用。手巻き、ステンレススチール、ケース径41㎜、厚さ14㎜、パワーリザーブ約60時間、ストラップはエンボス加工したカーフスキン。今秋発売予定、価格未定。

数年前からドイツ時計がトレンドになりそうな気配を見せていましたが、ついに異業種である高級カメラブランドの「ライカ」が本格参入することになりました。本拠地のドイツ・ウェッツラーでは2016年から拡充してきた新社屋「ライツパーク」の第3フェーズが完了、「エルンスト・ライツ・ヴェルクシュタッテン」というワークショップの創設を記念した新規事業として、今回のモデルが発表されました。

1925年に登場したライカ初の市販カメラ「ライカⅠ型」、続く32年の「ライカⅡ型」を想起させる「ライカ L1」「ライカ L2」とネーミングされており、同社の並々ならぬ意気込みを感じさせます。どちらもブラックダイヤルにスモールセコンドというシンプルな顔つきで、ムーブメントは手巻きを搭載。ドイツらしいミニマルな機能美が追求されているようです。

デザインを手がけたのは、ベルリン芸術大学教授でプロダクトデザイナーでもあるアヒム・ハイネ(Achim Heine)氏。長年にわたって数多くのライカ製品を監督していることから、カメラのレンズをイメージさせるドーム型風防や円筒形のリューズに直線的な溝など、アイコニックなデザイン要素が移植されているそうです。ライカのファンなら、そのほかにも発見があるのではないでしょうか。

「ライカ L1」「ライカ L2」ともに、見た目はクラシカルなスモールセコンドに赤い針をアクセントにしたシンプルなスタイルですが、機能的にはひと味違います。ダイヤルの8時から9時位置に設けられた円弧状のスリットでパワーリザーブ(ゼンマイ動力の残量)を表示。さらにリューズ機構にも際だった特徴があります。一般的なリューズは引き出すことで時間調整が可能になりますが、ライカでは逆に押すことでスモールセコンドの秒針がゼロリセット(60秒位置に帰針)されて停止するのです。時分針の軸のすぐ右側にあるドットも同時に白から赤に変わり、時間調整モードであることを表示します。

 「ライカ L1」は時・分・秒と日付表示を備えたモデルで、2時位置のボタンは日付調整時に使用します。これに12時間計のインナー回転ベゼルを加えたGMTモデルが「ライカ L2」です。12時間計に連動した午前・午後のインジケーターが、前述したドットのすぐ横にあります。

いずれも ムーブメントは、バーデン=ビュルテンベルク州のシュヴァルツバルト地方に拠点をもつ、レーマン・プレシジョンウーレン社との共同開発。2011年に設立された若いブランドですが、ハイレベルなムーブメントを自社開発しており、LEHMANNのロゴで展開しています。

 ライカカメラの社主であるアンドレアス・カウフマン氏は「私たちはパートナーとともに、プレミアムブランドを体現するライカの名にふさわしい“Made in Germany"の時計を生み出すことができました」と挨拶。ドイツメイドの時計をとりまく状況が、いよいよホットになりそうな予感が漂います。

ライカウォッチ「ライカL2」。4時位置のリューズで回転するダイヤル外周のインナーベゼルが12時間計のGMTとして機能します。たとえば時差がマイナス7時間(夏時間)のスイスに行った場合は、インナーベゼルを回転させて12時位置を「5」にします。分は共通なので、時針の先にある外周の表示を見れば、スイスの現地時間がすぐに分かります。白いドットのすぐ脇に、午前・午後を示すインジケーターもあります。手巻き、ステンレススチール、ケース径41㎜、厚さ14㎜、パワーリザーブ約60時間、ストラップはエンボス加工したカーフスキン。今秋発売予定、価格未定。

「ライカ L2」のケースバック。ドイツ南西部にあるレーマン・プレシジョンウーレン社と共同開発した手巻きムーブメントを見ることができます。

問い合わせ先/ライカカメラジャパン TEL:03-5221-9501