野性の夜を取り戻せ! ランボルギーニ・ウラカンRWDス...

東京車日記いっそこのままクルマれたい!

第45回 Lamborghini Huracán RWD Spyder / ランボルギーニ ウラカンRWDスパイダー

野性の夜を取り戻せ! ランボルギーニ・ウラカンRWDスパイダーは“純粋な速力”だけを求めてる。

構成・文:青木雄介

編集者。長距離で大型トレーラーを運転していたハードコア・ドライバー。フットボールとヒップホップとラリーが好きで、愛車は峠仕様の1992年製シボレー・カマロ改。手に入れて9年、買い替え願望が片時も頭を離れたことはない。

日本の「折り紙」をモチーフにしたフォルムや、スペーシーなインテリアはまさに“男の子”の夢。メーターは赤青白の3原色で、これ以上はない主張の強さ。「最高速度は319キロ」って得意顔になりたい、ランボルギーニは永遠のスーパーカーメーカーだね。

かつてランボルギーニのフラッグシップ、アヴェンタドールの顧客は首都高に即乗り入れられるマンションを、アヴェンタドールのためだけに買うようなスーパーリッチという話を聞きました。実際、試乗会でアヴェンタドールSに乗ってみて、やはりそういうクルマなのか、と痛感したわけ。つまり(自分ごときが)このプレシャスな巨体を都内で、デイリーユースで乗りまわすとか絶対無理!ってことだったんだ。ポンと買える人が、頻繁にあるオイル交換とともに、小傷も気軽にメンテナンスできるならいいかもしれないけどね(笑)。無傷の満願成就で3万キロを迎えるのはどう考えても、ノット・ソー・イージー。そんな中、目にとまったのが、試乗会で先導役をやってたウラカンだったんだ。

このウラカンRWDスパイダーは実際、都内近郊だけで300キロぐらい乗ったんだけど、デイリーユースはまったく問題なし! 狭いショッピングモールの駐車場でもストレスなく停めれるし、都内の抜け道だってすいすい走れる。バックアイも装備してるから、かつてのランボルギーニのようにいちいちクルマを降りて、後ろのスペースを確認しながらバックするという手間もない。果たして、走り慣れた道はウラカンで走るとまったく違って見えたんだよね! ウラカンの視座では、前方のアスファルトの路面が迫ってくるように見えている。その路面の近いところで貼りつくように走行している感覚が、最高にやばい。気分はほとんどひとり乗りのレーシングカーなんだ。

ゆるゆると流していると静かなんだけど、アクセルを踏めば一転、5.2リッターV10エンジンが咆哮する。本来は4輪駆動で狂気の走りを、安定したバランスで楽しむのがウラカンなんだけど、このクルマはRWDモデルの後輪駆動なので、加速やコーナリングでテールスライドの予感が離れない。このひりひりとした感じは4輪駆動より楽しいと思ったし、なによりランボルギーニらしいと思ったな! やっぱり乗ってると「頭おかしい!」って言葉が、何度も口をつくのがランボルギーニなんですよ(笑)。

猛牛の突進よろしく305mmの極太の後輪タイヤからはじき出される580馬力が、アスファルトに最も近いところで解放されてる生々しさがあり、クルマの想定速度域が過度に高いところにあるがゆえに、その速度域に早くたどり着こうと世間の常識を離れて、性急かつ純粋になるところだったり(笑)、いわば『野性の夜に』のロマーヌ・ボーランジェ。 盲目的に、純粋かつ情熱的なんですよ。クルマが「お前のすべてが見たい」って言ってくるし、こっちも「俺のすべてを見せてやる」って気になってくる。沢田研二かよっていうね(笑)。

このクルマと人とが、スピードでつながる荒々しくも純粋な交歓こそがランボルギーニ。ウラカンの先代にあたるガヤルドは、そんな超高速域以外は興味がなさそうな、デイリーユースでは使いにくいとこがあったわけ。その点、ウラカンは低速での楽しみ方を知ってて、静かに超高速域に入る瞬間を待っている大人の落ち着きをみせるんだ。驚くべき進化を遂げたよね。そんな毎日、ウラカンを足に使える生活が2800万以下。現実的には無理だけど、猛烈に欲しいよね(笑)。多少のリスクなら、意に介さないぐらいの価値はあるはず。懸念すべきは乗れば乗るほど、結局は「アヴェンタドールを買わずにいられなくなるのではないか」ってところかな。

●エンジン:5.2リッターV型10気筒NA
●出力:580HP
●トルク:540Nm
●トランスミッション:7速DCT
●車両価格:¥27,885,924~

●問い合わせ先/ランボルギーニカスタマーセンター
TEL:0120-988-889
www.lamborghini.com