老舗の逸品がリデザイン。ユニセックスな佇まいの京都・祇園のつばき油に注目。

  • 文:木藪 愛

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グレートーンのラベルに「つばき油」の黄金色が映える。

江戸時代・慶応元(1865)年に創業。「女性の美」をテーマに芸舞妓の髪飾りや、ヘアケア・スキンケアアイテムなどを多数手掛けてきた京都・祇園の「かづら清老舗」が、主力商品である「つげ櫛とつばき油」の新パッケージを発売した。

「つばき油」は、九州・五島列島の自社工場で栽培したヤブツバキの実を昔ながらの製法で搾油した天然のコスメ。主成分は、人の皮脂成分に最も近い天然保湿成分のオレイン酸で、髪や頭皮、顔、肌など全身に使うことができ、男性も取り入れやすいアイテムだ。

つばきをモチーフとた真っ赤なパッケージを、現代のライフスタイルに馴染むようグレートーンに。男女関わらず手に取りやすく、モードな装いに変化した。このパッケージは、京都をヒントに未来の文化を生み出すためのプラットフォーム「THE KYOTO」とのコラボレーションにより生まれた。

「パッケージを変えてファッションやデザインといった従来とは異なる文脈からアプローチすることで、新しいファン層が獲得できるのではないかと思いました」と「THE KYOTO」クリエイティブディレクターの各務亮は言う。

デザインを手がけた「artless Inc.」 代表の川上シュンは「日英のバイリンガルなタイポグラフィによるコミュニケーションや上品な佇まい、シンプルさとモノトーンのカラー選定で、新しいライフスタイルや現在の上質と寄り添うパッケージデザインにした」と語る。

老舗の逸品を現代の感性でリデザインした「つげ櫛とつばき油」。ヘアケアのスターターキットやプレゼントとしてはいかがだろうか。

「かづら清老舗」の霜降太介は「自分自身や道具のケアを通して、暮らしのなかの美を発見していただければ嬉しいです」とコメント。

「つげ櫛」は、職人の手仕事による伝統工芸品。「つばき油」で手入れすることで櫛通りや色艶が一段と良くなり、飴色へと育っていく。

問い合わせ先/かづら清老舗 祇園本店 TEL: 075-561-0672 www.kazurasei.co.jp