長崎・波佐見に行きたくなる! HASAMIコンプラプロジェクト「次の日常を、考える」。

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    石膏型づくり、生地づくりなど、複数の工程を分業制というチームワークによってつくられる波佐見焼。

    コンプラ瓶を知っていますか? 
    “コンプラ”とは、ポルトガル語で仲買人を意味し、江戸時代、オランダ人に日用品を売る特権を与えられた商人は、コンプラ商人と呼ばれました。その組合をコンプラ組合といい、 “JAPANSCH ZOYA”と書かれた波佐見焼の瓶=コンプラ瓶に醤油を詰めて、出島から40万本も輸出されていた歴史があります。ロシアの文豪・トルストイは、自宅でコンプラ瓶を一輪挿しに使っていたという逸話も残されています。そんな“コンプラ”を旗印として、長崎県波佐見町の地方創生事業「HASAMI コンプラプロジェクト」が2016年にスタートしました。12月22日(木)~12月25日(日)に、東京・木場の「EARTH + GALLERY」にて、波佐見町出身のアーティストたちによる展示・イベント「長崎県波佐見町HASAMIコンプラプロジェクト 次の日常を、考える」が開催されます。

    展示を行うのは、プロジェクトの発起人であり、波佐見町で生まれ育った3人のアーティスト、松尾栄太郎さん、山口陽介さん、馬場匡平さん。そこにいる人々とともに完成させる作品を制作、展示します。また、プロジェクトに賛同した陶芸家の松井利夫さんは、不要陶器を使って、歪んで器同士が引っついたり、下絵が流れたりと様々な「窯変」によって生まれ変わった器の数々「サイネンショー」を展示販売。期間中、来場者が不要になった陶器を持参すると、サイネンショーの作品1つと交換できる「サイネンショーと器の交換会」(限定20個)も行います。波佐見焼の制作体制である「分業制」をテーマにフードアーティスト田中真紀子さんが、フルコースディナーにして料理で表現し、12月23日(金)19時より10名様限定(一人¥5,000)で提供されます。

    そのほか、富山県のおいしい食材と波佐見町の食材をサンドイッチではさんで交流するワークショップ「サンドイッチジャーニー」も、12月23日(金)に開催。アート、クラフト、食を通じて、波佐見のエネルギーを肌で感じられる4日間。イベントを体感すれば、きっと波佐見に行きたくなることでしょう。(阿部博子)

    江戸時代に醤油を輸出する容れ物として作られていたコンプラ瓶。インテリアアイテムとしても人気が高い。

    波佐見町で行われたコンプラ灯篭とみかん箱を使った灯りのインスタレーション。

    長崎県波佐見町HASAMIコンプラプロジェクト「次の日常を、考える」

    開催期間:2016年12月22日(木)~12月25日(日)
    開催時間:11時~19時
    開催場所:EARTH+GALLERY
    東京都江東区木場3丁目18-17-1F(2F gallery COEXIST-TOKYO)
    TEL:03-5809-9994
    入場料:無料
    http://earth-plus.net/